猟奇的な同期 ２

６０ 北山side ページ12

可愛い。



いや、今、完璧笑われてんだけど。
必死でズボン脱ごうとしてる俺をバカにしてんだろうけど。



それでも、こんな笑顔見せてくれるの初めてで
Aが少しずつ、俺に気を許してくれてるのかなって。




つか、マジで一つになりたかったんだよ。



突き飛ばせないってハンデつけても
Aは俺が触れても、嫌な反応はない。



それは、初めて体を重ねた時からずっとそうだ。



･･･いけんじゃね？って思うよそりゃ。




さっきの、ただの機械的な行為は
体は満足しても心は置いてけぼりだ。



Aを肌で感じて感じさせて。
お互いの体温を分け合って見つめ合って



･･･それでお互いが気持ちよくなんないと
ちっとも充実感がない。



きっとAも同じ感覚なんだ。
だからまた口でしようとしてくれて
そこは嬉しいような悲しいような。



Aは俺が好きじゃないのに
そこまでしてくれようとするのは･･･



やっぱり俺達、体の相性がいいって事なんだと思う。





今はそこに愛はなくても





俺はAを愛したいって思ってるからいつか･･･
Aも体だけじゃなくてそう思ってくれる日が来るんじゃないか、と期待してしまう。









「なー、脱がせろよぉー」



笑ってる顔が見れたのが嬉しくて
正直もうこの先はどっちでも良くなってたんだけど
Aの反応が見たくて言ってみる。




「だから、北山が頑張って脱げたらね？」



お、マジ？脱げたら出来る事になってきてんじゃん！



ちょっとまた必死こいて脱いでみようとした所でドアが開く音と共に看護師さんの声。




「北山さーん、入浴終わったら用紙に名前記入しといて下さいね？」




言いながらカーテンを開けられ
半ケツの俺と乱れたシャツでペタンとベットに座ってるAを数秒無言で交互に見つめられる。




「･････････あの。
そういう事はここでは禁止ですからね？お願いしますよ？」




若干キレ気味に言われて
この状況で何も言えず、苦笑いするしかない。



看護師さんがいなくなった途端
どうして否定しないのっ？って真っ赤な顔で責められたけど無理だろ。状況証拠が整いすぎてるっ。




もう、Aを親戚扱いにしとくのも嫌になったし
Aがあともう少しで手に入るんじゃないかってマジで思ってテンション上がってたんだ。





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