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「こんな事してんのも事情があんだ。だから割り切ってやってはいるんだけど。だいたいお金持ちの派手なお客さんばっかり相手にしてるからAちゃんが相手って実は緊張してる。」
「・・・え?」
いや、Aちゃんがお金持ちじゃないって訳じゃなくてさ、って、少し焦ってるけど
そうだ、
本来、私みたいな一般庶民が手を出していい領域じゃないんだよ?
そもそも芸能人の、しかもアイドルを買うなんて。
VIPな財政会の女王様みたいな人達の娯楽の為な訳で、こんな一介のファンが全財産叩いて買うモノじゃない。
・・・・・・今更ながら自分の身の程知らずな行動に恥ずかしくて、あぁ、と息を漏らして手で顔を覆ってしまった。
「ん?どしたどした?」
運転しながらも
私の少しの変化にも気付く北山さんは
それは仕事だから?
それとも、本来、優しい人だから?
いや、そんな事考えなくていい。
今、北山さんが優しくしてくれるなら
私もきちんとそれに応えて"いいお客さん"にならなくちゃ。
「・・・ごめんなさい、私もかなり緊張してます。」
こんな図々しい、身の程知らずな客になってる恥ずかしさをそう言って誤魔化した。
すぐにホテルに到着して先に行っといて、と部屋の鍵を渡された。
・・・そうか、
二人で一緒にこんなとこ入るわけにいかないもんね。
でも、ここで離れてしまって
もう一度、会えるんだろうかって変に不安になる。
あからさまに寂しいって、表情が悟られてしまったようだ。
北山さんはゆっくりと私の頬に手を当ててきたからびっくりして首が竦む。
「大丈夫だよ。待ってて?」
・・・・・・今日は私の見た事のない北山さんの顔ばかり見せられて、今日一日で北山さんの事がもっと好きになってしまった。
彼氏みたいなセリフを吐く北山さんに
素直にコクン、と頷く私は今だけ、北山さんの彼女になり切ってる。
・・・いいんだよね?
だって、今日はこういう日、なんだから。
ふかふかの絨毯を歩いてエレベーターに乗り込む。
静かに上昇してくエレベーターの中。
ガラス張りの夜の景色がどんどんと宝石みたいに小さく散りばめられて行く。
・・・・・・ここは夢の国の続きだ。
お酒も入ってないのにフワフワした気持ちのまま、エレベーターを降りて、鍵に記されているナンバーのドアを開けた。
壁一面の窓には
信じられない程の眩い景色が広がっていた。
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mora(プロフ) - 通帳確認してみようかしら。もしくは、2年くらい飲まず食わずならいける?笑 (2020年9月13日 14時) (レス) id: daf44fdab0 (このIDを非表示/違反報告)
Haru(プロフ) - moraさん» そうなのよ、500万だよ?頑張ったらいける(?)貯めよう(笑) (2020年9月13日 13時) (レス) id: a682c15f64 (このIDを非表示/違反報告)
Haru(プロフ) - nayuさん» お得感出てきたよね?!(笑)うっかり払ってしまいそうになるー、ないけど(笑) (2020年9月13日 13時) (レス) id: a682c15f64 (このIDを非表示/違反報告)
Haru(プロフ) - あやかさん» どの続編気になる?!またこっそり教えて(笑) (2020年9月13日 13時) (レス) id: a682c15f64 (このIDを非表示/違反報告)
Haru(プロフ) - さっこさん» いや、この話だいぶ長編案件なのよ。。そこまで書くと短編じゃ書ききれないなーって。だいぶ奥深い闇の長編になるでしょ?(笑)私も、宝くじしかねーなって思ったよ(笑) (2020年9月13日 13時) (レス) id: a682c15f64 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Haru | 作成日時:2020年7月9日 21時