You love me？３

※ ページ29

「･･････A？」




・・・元彼だった。



こんなとこで鉢合わせなんて。



最悪。




「･･･久しぶり。なんか雰囲気変わった？」




話しかけないでよ。



デブって
デブって言われたトラウマが重くよみがえる。



なんでこんな男を好きだったんだろうっていうくらい
目の前の元彼の薄ら笑いが生理的に受付けなくなってた。




私越しに視線を奥に移して
あぁ、と理解したように頷く。




「ジム通ってんだ？すげー、らしくねーじゃん。それでこんな雰囲気違うんだ。」




恥ずかしくて屈辱的で消えてしまいたい。



目の前の男に振られて
こんなに毎日頑張って痩せようとしてる私を見られるなんて。



せめて、ガリガリになってれば良かった。



今の私じゃ、どれだけやってもデブはデブって笑われるだけだ、



早く私の前からいなくなってよっ、



何も返す言葉が出てこなくてギュッと手を握った時だった。






「Aー？お待たせっ。だれー？この人。」





北山さんのゆるーい声にハッとなる、




いや、誰？って。
そんなの北山さんに言う事じゃないよ。



っていうか元彼と遭遇してるとこ見られるなんてカッコ悪すぎる。





「あ、あのね、」
「どもん、Aと付き合ってる北山です。」





・・・・え？






「へぇ。どうも。もう若い男に乗り換えてんだ。･･･」


「ち、違うっ」




乗り換えてってなによ？
振ったのはそっちなのにそんな言い方っ、



ほんと、こんな男と付き合ってた自分が情けなくなる。



私と元彼のやり取りをキョロキョロと見てた北山さんは耳を疑うような事をしれっと言った。




「俺、34だよ？Aより5つ上だけど、なんか文句ある？」





え？？？？





「･･･別にないけど。そ。いいじゃん、幸せそうで。」


「うん。抱き心地も最高だよ。全部俺好みだから一目惚れしちゃったんだよねー。」



「へぇ。デブ専なの？あんた。変わってんね。」


「っ、」





デブってまだ言う？
私に何か恨みでもあるの？



ムカつくムカつくムカつくっ、





「だーかーらー、Aは太ってないし。やっぱあんたか。Aをデブ呼ばわりしたの。」

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