検索窓
今日:32 hit、昨日:13 hit、合計:248,796 hit

ページ39






ペットボトルの水を空にした北山さんは
はぁーっと息をつき、私を見てる。



・・・・・・ミッキーのサングラスで。






「ふふっ、北山さん、めっちゃ面白いっ、」




暗いから色眼鏡の奥の瞳も見えなくて、ただただ可愛いっ。




「あ?笑ってんな?つーか、Aちゃんだって普通に面白いかんな?」






二人して可笑しくなってくすくすと笑った後
よし!とまたミッキーの帽子を被ってる。



さすがに暑いのかマスクはもうしないみたいで
北山さんの顔半分が露わになって、



そうなると目のやり場に困るんだよー、なんてドキドキしてると急に北山さんが男の声色になった。





「パレード見ようかと思ってたけど、もういいかな。近くのホテル取ってあんだ。そろそろ行こっか。」









まるで彼女に言うみたいにサラっと言われて
一気に体が硬直した。








手を引かれたけど、体が固まってちっとも動かない。



そんな私に北山さんは首を傾げてる。






「・・・Aちゃん、絶対緊張してんだろなって思ったからここ来たんだけど。やっぱまだ緊張してる?無理ならこのまま家まで送るけど?」





・・・え?





ち、違うっ、無理とか、じゃなくて、
変に北山さんと近くなってしまった今
余計緊張するっていうか、



あの車に乗り込んだ時にそのままホテルに直行していれば、まだ心の準備も出来てたような・・・



でも、そんなの北山さんには関係なくって
北山さんの気遣いでここへ連れてきてくれて
リラックスさせてくれようとしてたんだってわかって
それもなんだか申し訳なくなってくる。





「・・・・・・って。Aちゃん、すげー勇気出して電話くれたんだもんな。やめるわけねーよな?」









やめるわけ、ないよ。









北山さんにこれ以上気を使わせる訳にはいかない。


握られた手をぎゅっと握り返した。







「連れてって下さい、」






サングラスしてて良かった。
きっと私、今感情ぐちゃぐちゃで泣きそうだから。





絞り出した私の小さな声は北山さんに届いただろうか?





「ん、行こう。」




その声はものすごく優しくて
聞こえたんだっていう安堵とともにまた涙が出そうになる。




ダメじゃん、こういうのって、楽しむものなんだよね?




サングラスを外すまでに
ちゃんと嬉しそうな顔してなきゃ。

※→←※



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (397 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1642人がお気に入り
設定タグ:北山宏光 , Kis-My-Ft2   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

この作品にコメントを書くにはログインが必要です   ログイン

mora(プロフ) - 通帳確認してみようかしら。もしくは、2年くらい飲まず食わずならいける?笑 (2020年9月13日 14時) (レス) id: daf44fdab0 (このIDを非表示/違反報告)
Haru(プロフ) - moraさん» そうなのよ、500万だよ?頑張ったらいける(?)貯めよう(笑) (2020年9月13日 13時) (レス) id: a682c15f64 (このIDを非表示/違反報告)
Haru(プロフ) - nayuさん» お得感出てきたよね?!(笑)うっかり払ってしまいそうになるー、ないけど(笑) (2020年9月13日 13時) (レス) id: a682c15f64 (このIDを非表示/違反報告)
Haru(プロフ) - あやかさん» どの続編気になる?!またこっそり教えて(笑) (2020年9月13日 13時) (レス) id: a682c15f64 (このIDを非表示/違反報告)
Haru(プロフ) - さっこさん» いや、この話だいぶ長編案件なのよ。。そこまで書くと短編じゃ書ききれないなーって。だいぶ奥深い闇の長編になるでしょ?(笑)私も、宝くじしかねーなって思ったよ(笑) (2020年9月13日 13時) (レス) id: a682c15f64 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:Haru | 作成日時:2020年7月9日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。