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ペットボトルの水を空にした北山さんは
はぁーっと息をつき、私を見てる。
・・・・・・ミッキーのサングラスで。
「ふふっ、北山さん、めっちゃ面白いっ、」
暗いから色眼鏡の奥の瞳も見えなくて、ただただ可愛いっ。
「あ?笑ってんな?つーか、Aちゃんだって普通に面白いかんな?」
二人して可笑しくなってくすくすと笑った後
よし!とまたミッキーの帽子を被ってる。
さすがに暑いのかマスクはもうしないみたいで
北山さんの顔半分が露わになって、
そうなると目のやり場に困るんだよー、なんてドキドキしてると急に北山さんが男の声色になった。
「パレード見ようかと思ってたけど、もういいかな。近くのホテル取ってあんだ。そろそろ行こっか。」
まるで彼女に言うみたいにサラっと言われて
一気に体が硬直した。
手を引かれたけど、体が固まってちっとも動かない。
そんな私に北山さんは首を傾げてる。
「・・・Aちゃん、絶対緊張してんだろなって思ったからここ来たんだけど。やっぱまだ緊張してる?無理ならこのまま家まで送るけど?」
・・・え?
ち、違うっ、無理とか、じゃなくて、
変に北山さんと近くなってしまった今
余計緊張するっていうか、
あの車に乗り込んだ時にそのままホテルに直行していれば、まだ心の準備も出来てたような・・・
でも、そんなの北山さんには関係なくって
北山さんの気遣いでここへ連れてきてくれて
リラックスさせてくれようとしてたんだってわかって
それもなんだか申し訳なくなってくる。
「・・・・・・って。Aちゃん、すげー勇気出して電話くれたんだもんな。やめるわけねーよな?」
やめるわけ、ないよ。
北山さんにこれ以上気を使わせる訳にはいかない。
握られた手をぎゅっと握り返した。
「連れてって下さい、」
サングラスしてて良かった。
きっと私、今感情ぐちゃぐちゃで泣きそうだから。
絞り出した私の小さな声は北山さんに届いただろうか?
「ん、行こう。」
その声はものすごく優しくて
聞こえたんだっていう安堵とともにまた涙が出そうになる。
ダメじゃん、こういうのって、楽しむものなんだよね?
サングラスを外すまでに
ちゃんと嬉しそうな顔してなきゃ。
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mora(プロフ) - 通帳確認してみようかしら。もしくは、2年くらい飲まず食わずならいける?笑 (2020年9月13日 14時) (レス) id: daf44fdab0 (このIDを非表示/違反報告)
Haru(プロフ) - moraさん» そうなのよ、500万だよ?頑張ったらいける(?)貯めよう(笑) (2020年9月13日 13時) (レス) id: a682c15f64 (このIDを非表示/違反報告)
Haru(プロフ) - nayuさん» お得感出てきたよね?!(笑)うっかり払ってしまいそうになるー、ないけど(笑) (2020年9月13日 13時) (レス) id: a682c15f64 (このIDを非表示/違反報告)
Haru(プロフ) - あやかさん» どの続編気になる?!またこっそり教えて(笑) (2020年9月13日 13時) (レス) id: a682c15f64 (このIDを非表示/違反報告)
Haru(プロフ) - さっこさん» いや、この話だいぶ長編案件なのよ。。そこまで書くと短編じゃ書ききれないなーって。だいぶ奥深い闇の長編になるでしょ?(笑)私も、宝くじしかねーなって思ったよ(笑) (2020年9月13日 13時) (レス) id: a682c15f64 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Haru | 作成日時:2020年7月9日 21時