君のその手に ーspinoff ー 桐谷麗華の恋。【完結】

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週明けの月曜日。



「パーティの後、どこに行ってたの？」って。



聞きたいけど聞く権利なんかなくて
それでも、あの日宏光が何をしてたか気になって仕方なくて




もう私の精神状態はグチャグチャだった。




それに追い打ちをかけるように
最近ずっと接触のなかったように見えた伊藤さんと笑い合ってる姿が見えて、どうにかなりそう。



元々すごく仲良かったんだよね？伊藤さんとは。
私が伊藤さんに、嫉妬してから私の前で話してる姿はあまり見かけなかったのに。



･･･やっぱり、伊藤さんが良くなっちゃった？
パーティーの後、何かあった？






そんな事ばかり考えてて仕事が捗るはずなくて
気が付いたらフロアは私だけになってた。




「･･･かえろ、」




宏光は直帰ってボードに書いてあって
こんな錯乱してる状態の今日、会わなくて良かったってほっとしてた時･･･




「Aさん、良かった、まだいたっ、」



嬉しそうにフロアに入ってくる宏光は真っすぐに私に向かってきた。





「･･･お疲れ様。直帰じゃなかったの？」



「Aさん、金曜日めちゃくちゃ着信くれてただろ？気になっててさ。だから帰ってきた。」




へへって楽しそうに笑う宏光･･･



こっちの気持ちとは正反対な呑気な宏光に
私が心配する事なんて何も無かったのか、って少しほっとしたりして。



だから思わず本当の事を言ってしまう。




「･･･金曜日の夜、宏光の家に行ったんだ。そしたらいなくて。それで電話しちゃったの。」



「そうだったんだ。なんだ、それなら家にさっさと帰りたかったなぁ。」





あまりにも素直な宏光にさっきまでの嫉妬心やドロドロした気持ちが晴れていくようだ。




それなのに、宏光はなんて事ないように
耳を疑う様なことを言ってのけた。





「伊藤がさ、めちゃくちゃ酔っ払って送ってったんだ。そしたら気付いたら朝、みたいな？」






・・・え？






「伊藤さんの家に･･･泊まったの？」



「泊まったっつーか、寝ちゃってたっつーかさ？俺も酔ってたんだよなぁ。」





何も悪びれずそう言ってる宏光に
怒る権利なんてないって言い聞かせても我慢出来なかった。





「⋯だからって伊藤さんの家に泊まる事なかったと思うっ、」


「しょうがなかったんだって。あいつも酔っ払ってたし。」






開き直ってるみたいな宏光に余計イライラする、

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