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「⋯覚えてたのね。」
「もちろん。来てくれるとは思わなかったけど。」
それはこっちのセリフなんだけど。
まさか、来てくれるなんて。
宏光の横顔は
いつも通り落ち着いていて
さっき感情が昂ってキスしてきた雰囲気はどこにもない。
二人で並んで砂浜に座って海を眺めるなんて
こんな幸せな事ないかもしれない。
それなのに宏光はすぐに私の手を取って岩陰に行こう、と私を連れて行く。
辿り着いて、なるほど、ここなら万一の場合でも人目に付かないな、と気が付いてこんな時にも周りを気にする宏光に申し訳なくなる。
「⋯やっと二人きりになれた。」
後ろに回り込んで背中から抱きしめられると
さっきの激しいキスとは違って体が温かくなるのと同時に気持ちも温かくなる。
だから素直に、自然に口をついて出てしまった。
「今回は宏光に嫌な思いばっかさせてごめんね?」
なんて。
私らしくないよね?
でも、言いたかった。
「⋯でも相沢にヤキモチ妬いてくれた」
嫉妬した事を喜ぶなんて・・・
なんだか宏光が不憫に見えてくる。
もっと私に望むことあるんじゃないの?
もしかしていっぱい我慢してる?
「⋯苦しい?宏光。」
「⋯なにが?」
「私と一緒にいる事。」
弱音なんか吐かない子だってわかってても聞いてしまう。
私はずっと楽しかったから。
それなのに今日の宏光は怒ってて
私もすごく嫌な気持ちになって。
こんなの、続けて行く意味、あるのかなって。
「⋯何考えてんだよ?」
「宏光を苦しめる為にこうして会うならやめた方がいい。」
「⋯それ、別れたいって言ってる?」
宏光の声が固くなる。
また怒らせたらダメだ、と思って更に本音をさらけ出す。
「私も、今日相沢さんといる宏光を見るのが嫌で仕方なかった。私のものでもないのに。嫉妬なんてする資格ないのに。」
「なんで?嫉妬してよ。オレもめちゃくちゃあの人に嫉妬してるし。」
「⋯そんな関係、これから上手く続けられるか不安なの。」
お互い本気になったら終わり。
のめり込んだ行く末は悲劇しかない。
ここまで本心を言ってしまって
もう続けられるわけない、と半分諦めが付いてきたその時、予想外の事を宏光が言ってきた。
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Haru(プロフ) - ゆなさん» ありがとうございます!麗華さんはそんな人生歩むつもり無かったのに突然の妊娠で母性が芽生えたんですね。玉ちゃんが旦那さんなんて最高だしめちゃくちゃ丸く収めましたがそう言って頂いて良かったです(^^) (2020年9月16日 18時) (レス) id: a682c15f64 (このIDを非表示/違反報告)
ゆな(プロフ) - みんなが幸せになって良かったです。れいかさん、文章からも母性が溢れ出てて、母親になったんだなぁと感慨深く、読んでいて感動しました! (2020年9月14日 13時) (レス) id: 362aab2dda (このIDを非表示/違反報告)
Haru(プロフ) - にかみつばさん» 元々ラブラブが書けないんですよね。そこは申し訳ないです^^;それでも最後までお付き合いありがとうございました!また遊びにきてくださいね(^^) (2020年8月24日 10時) (レス) id: a682c15f64 (このIDを非表示/違反報告)
Haru(プロフ) - ななぼーさんさん» 最後までお付き合いありがとうございました!!気持ち悪くないですよ!(笑)ありがたいです(T_T)イトちゃんの人気はやはり強いですね。嬉しいです。また何年後かにふらっと戻ってくる。。。?かもです(笑) (2020年8月24日 10時) (レス) id: a682c15f64 (このIDを非表示/違反報告)
Haru(プロフ) - りーちゃんさん» 結局全てのサブキャラのスピンオフを書いてしまいました(笑)それぞれ楽しんで頂けたなら幸いです!最後に玉ちゃんも参加してもらったのは私的に萌えポイントでしたが(笑)皆幸せになれてやっとスッキリしました。ありがとうございました! (2020年8月24日 10時) (レス) id: a682c15f64 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Haru | 作成日時:2019年12月29日 9時