過失に恋して故意になる

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「なんで？わかるって言ってんじゃん！私だって今、ミツと一緒にいて正直辛い時だってあるよ？でも、一緒にいるとやっぱり嬉しいし楽しいからっ、」
「だからそれが違うって言ってんだよ！」







また言葉を遮ってきて言葉を吐き捨てる、ミツ。






私は涙が止まらなくなってきてるし
ミツも感情を露わにしてて傍から見れば痴話喧嘩みたいに見えてるだろう。



でも、今の私達は回りなんて見えてなかった。







「･･･おまえは、知らなかったから俺に簡単に告白してこれたじゃん。俺は、･･･どんだけ言いたくても言えねーんだよっ、わかる？好きな奴に好きって想いを伝える事すら出来ねー俺の気持ちがっ、」









・・・・・簡単じゃなかったよ？
勇気出して好きって言ったよ？









でも･･･



ミツはそれを藤ヶ谷くんに言うの、私の何万倍もハードルが高いんだ、･･･という事をミツに言われて初めて気が付いた。




そう、だよね、好きだけで一緒にいても
もっともっと想いは強くなる一方で
伝えたくてたまらなくなる時期がいつかやってくる。






それを、ミツは、伝えられない、





黙り込んだ私に
ようやくわかったか、とでも言うようにミツの表情は少しだけ柔らかくなった。






「今より仲良くなって、どんどん好きになって、今より辛くなるくらいなら、俺は諦めるよ。その方が楽だ。」





そして完全に優しい口調に戻っててそれが余計切ない。




「Aの気持ちに応えてやれないのはほんとに悪いって思ってる。でも、俺らはそーなる前から友達だったじゃん。だからきっと前みたいに戻れるよ。でも俺と藤ヶ谷はなんにも始まってないんだよ。だから今から関わらないようにしないといけないんだ。わかってくれる？」



バカ。



一個だけ違うよ。
私は出会った時からミツを男として見てたって。




なにも反応を見せず俯く私の顔を覗き込んでくる。





「･･･それとも、Aがもし俺といんのが辛いって言うなら、距離置こう？」




なにそれ、
そんな優しい顔してどれだけ酷な事言うの？



それだけは嫌だ。



ブンブンと、首を横に振ると
ミツも、そっか、とほっとしたような顔。



そんな顔するくらいなら
距離置こうとか言わないでよ。






「わかったよ、ミツの事、ちゃんと親友として見られるように頑張るから。」







出来ない約束かもしれない。




でも、一緒にいられなくなるくらいなら
これくらいの嘘は簡単に付ける。

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