過失に恋して故意になる

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私の言葉に小さくため息を付いたミツ。



「いい話しなわけねーだろ。わりーけどその話は断っといて。俺も藤ヶ谷とバイト入った時に忙しいとかなんとか適当に言っとくからさ。」


「ねぇ、どうして？片想いだってよくない？人好きになったらそれだけで楽しいじゃん？」




ミツがどんどん不機嫌になっていってたのはわかってた。
でも止められない。



「忘れようと遠ざけたって結局バイトで会うんだし辛いだけじゃない？それなら今より仲良くなって、沢山一緒にいてさ？そっちの方が「Aになにがわかんの？」




途中、遮られた言葉。



出会ってから初めて見る冷たい目が怖かった。
でも、一気に私の言葉を遮断したミツだけど少しでも想いを伝えたい。




「わ、わかるよ。だって、だって、私、ミツの事･･･、まだ、好きだもん、振られたって好きだからっ、でもっ、友達でいたいって思ってるから、失いたくないからっ、･･･、」




ミツが怖いのと
でもわかってもらいたくて言わなくていい事まで言ってしまって感情が高ぶる。



言ってるうちに涙が出てきて
それに気が付いたミツはちょっと出よう、と講義室の外に私を連れて出た。







「でもっ、私はミツの事、まだ好きだけど、親友になるよ？ミツだって、想いが叶わなくても藤ヶ谷くんとさ？」



廊下に出た瞬間も、まだまだ言いたい事は止まらなくて捲し立てるように話す。



それでもミツには私の言葉はまるで届いてないようだ。
まだまだ怒ってるような顔で話しを聞きながらずっと見つめてくる。





「なぁ？俺の事、まだ好きなの？」


「･･･そんなあっさり好きじゃなくならない、」


「でもおまえはさ、すぐまた違う奴と恋をするよ。」


「･･･そう、だね、だからそれまでミツの事、想ってるくらいいいでしょ？」




正直、"違う奴"なんて言われてもピンと来ないよ。
でも、その時はいつかは来るんだろう。
ただ、ミツといる今、そんな日が訪れるんだろうか、とは思うけど。




「俺は違うんだよ、おまえとは。」


「･･･なにが違う？」


「例え藤ヶ谷とこれから仲良くなってもっと好きになってさ、それでもずっと友達のフリしなくちゃなんないのがどんだけ辛いか、わかってねーだろ？」

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