You love me？２

※ ページ24

「Aの為に、大人になってたいから。」







一瞬、自分の名前かと思ってドキっとしたけど
Aっていうのは彼の好きな子って事ね。





「随分彼女が好きみたいだけど。彼女としたらいいんじゃない？頑張って口説き落としたらいいのに。」


「･･･そうしたいのは山々だけど、それは大人になってからって決めてるから。Aに会いに行った時に彼女を満足させられる大人になってたいんだよね。」







どうやら嘘ではないっぽい。






「その為に、私と･･･？」



コクン、と頷くその顔は
悪びれる様子もなく図々しいんだけど
やっぱりどこか可愛さもあって憎めない。



「･･Aさん、経験豊富そうだし、色々教えて貰えそうだから。」




な･･･



私は豪語できる程遊んでる訳じゃないし
そんな事言われると堂々と「じゃあ教えてあげる」
とか言える経験なんてないけど？
自信なんてあるわけない。




「ご、ごめん。その要望には答えられなさそうだからやっぱり違う人あたって？」


「･･･俺、魅力ない？」


「いやっ、そういう事じゃないでしょ？私としたってなんの勉強にもならないと思うのよ。」




って、
何言わせんのよっ。




男の人にこんな誘惑の仕方された事ないし
それよりもそんな大役、私には無理。



いつの間にか店の中は私と彼だけになって
もう閉めるからまた来て、と半ば強制的に店から出て行って貰う。




･･･はぁ。
変に惑わされちゃった。









・









「なんでいるの。」








閉店作業をして店から出ると
さっきの彼がガードレールに腰掛けていて
居心地の悪そうな表情で出迎えられた。






「･･･やっぱり俺、Aさんがいい。」





･･･なにその殺し文句は。





こんな夜中、仕事終わりで疲れきった体に
私がいい、なんて言われると自尊心が充たされる。



しかもこんな可愛い男の子に。



いっか、って思ってしまうじゃない。









・

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