You love me？２

※ ページ22

「そんなわかりやすかった？」


「うん。手握った瞬間わかった。」




おかしそうに笑われて面白くない。




「怒んなって。あれで俺ずっと待ってられるって思ったんだから。」


「だから彼氏作るなって言ったんだ。」




ずるい。
一人で納得して私に意味不明の課題を与えて今までほっといてたなんて。




「･･･彼氏、いねーんだろ？」


「いないよ、」


「ずっと？」


「そう、ずっと。」


「それは、俺が好きだったから、でいいんだよな？」





そうだよ。
返事する前に抱きしめられて唇を塞がれた。





・・・私の、ファーストキス、





ニコッと笑ってる余裕そうなひろくんの顔。





「私まだ、何にも言ってないじゃん。」


「顔見てたらわかるんだって。昔っからわかりやすいよ、おまえ。」



嬉しそうに笑ってるけど、
どうしても私は今の空気に違和感を覚える。




「ね、私、初めてキスした。ひろくんは？初めて？」




ずっと私を好きだったなら初めてなはずだよね？
その余裕はどこから来てるわけ？




「おまえ･･･なんだその熟年カップルみたいな問い詰め方は。」


「はい？」


「んな事今どーだってよくない？Aの気持ち、ちゃんと聞きたいんだけど。」




なにそれ。
上手くはぐらかして誤魔化すつもりにしか聞こえないんだけど･･･




でも、もう隠さなくていいんだ、この気持ちに罪悪感を感じなくてもいいの？





最初から答えわかってるみたいに
ん？って顔を覗き込まれて余計俯いてしまう。





この人は従兄弟のひろくんじゃない。




中二で自覚した時から
どんどんカッコよくなって行った彼は
社会人になって、スーツを着てる今
こんな壮絶な色気も放つようになってしまったんだ、と改めて思う。




久しぶりに会うこの人は




私の、好きな人だ。







「好きだよ、ひろくんが好き。」






ほらね、とでも言うような得意気な顔を見せた彼はまた私を抱きしめる。




それから深い深いキスをいきなり投下してくるひろくんは何もかも初めてな私に容赦がない。








「ずっとこうしたかった、」



掠れた声で抱きしめられて
私の頭はパニック寸前。




でもこんな気持ちいいキスをするひろくんに
私は聞かなきゃいけない。



私をずっと好きだったと言いながら
どこでどんな恋をしてきたのか。



彼女になった私の初仕事は
尋問に始まる。









「恋の闇」



FIN

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