39 北山side ページ39
「行くぞ。」
埒が明かない。
ふらふらのAの腰を支えて店を出る。
千鳥足のAに足を取られながら大通りに出てタクシーを拾おう、そう思ってAを抱えると、いや!って座り込んでしまった。
「やだー。私、今日はひとりになりたいです。」
「こんな状態で一人になんかなれるわけねーだろ?ほら、帰るぞ?」
「・・・やだ。」
やっべ。
マジでこんな時のAへの対処の仕方がわかんねー。
藤ヶ谷のやつ、もうちょい居てくれてもよくね?
だってこんなAの面倒を見るのは付き合う前
まだ麗華さんと付き合ってた頃の一回だけだ。
あの後麗華さんが俺がAの家に泊まったって知ってめっちゃ怒ったんだよな。
・・・そっからギクシャクし始めて、そのまま内田部長に抱き合ってるとこ見られて・・・、
今思えば、Aがあの日訳もなく酔ってくれたおかげで今の俺達があるのかも。
不思議だよな。
あの時なんとも思ってなかった”イト”が今こんなにも大事な存在になるなんて。
って!感傷に浸ってる場合じゃねーっ。
うずくまったまま、動かないAを抱き起こすと目瞑ってうとうとしてるしっ?
「Aっ、ここで寝んなっ、」
「寝てないよぉ。」
「もうっ、じゃあおんぶしてやっからっ、ほら、」
背中を向けるも全くの無反応だ。
「ひろみつ、アイス、食べよ?」
「・・・・・・はいはい。」
とりあえずこいつは酔っ払ったらアイスらしい。
Aがいつも食べてるアイスカップをコンビニで買って
何も言われなくてももう食べさせてやれる俺は
ちゃんと、Aの旦那、出来てるだろ?
「あーん、」
「ほらよ、」
懐かし。
あの時はなんで俺が食べさせなきゃいけねんだよってイラついたけど。
あの時は散々酔っ払ったこいつに翻弄されたけど。
・・・もう、俺はどんな時でもこいつにずっと寄り添ってくんだよ。 病める時も健やかなる時も、ってやつだ。
例えおじいちゃんになっても
泥酔したおばあちゃんのAにアイス食わせてやんだから。
って、それくらいの覚悟、あんだけどな。
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haru070917(プロフ) - ありがとうございます。でも北山夫婦のこれからも知りたいかなまた書いて下さい (2020年1月20日 21時) (レス) id: 6044a23124 (このIDを非表示/違反報告)
Haru(プロフ) - あやかさん» 本編読み終えて下さったんですね!長い時間お疲れ様でした^^;ありがたいです。続編というか完全に桐谷部長のお話になるのでまた、趣向が変わるかもです。が良ければお付き合い下さいーっ♪ (2019年12月21日 21時) (レス) id: 476aea9d9a (このIDを非表示/違反報告)
あやか(プロフ) - 完結お疲れ様でした!遅ればせながら、本編を読み終え、自分の気持ちの中でとても上がっている作品なので、また続編を書いて頂けるなんて、とても嬉しいです(^^)楽しみにしています! (2019年12月21日 18時) (レス) id: d1d73bb006 (このIDを非表示/違反報告)
Haru(プロフ) - りーちゃんさん» 素敵と言ってもらえてほっとしました。読み応えあるものを、と思っていたので嬉しいです(T_T)こちらこそ、ずっとお付き合い下さってありがとうございました!!(^^) (2019年12月21日 13時) (レス) id: 476aea9d9a (このIDを非表示/違反報告)
Haru(プロフ) - nanacoさん» スッキリできてたー?いつもラストは難しいなって思うよ^^;nanacoちゃんもずっと読んでくれてありがとー!スピンオフもよろしくね♪ (2019年12月21日 13時) (レス) id: 476aea9d9a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Haru | 作成日時:2019年11月23日 20時