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私が見惚れてるのにも気付かず宏光は体を起こして髪の毛をわしゃわしゃってかいた。
あっ、セット崩れちゃった・・・
「はぁ、しっかしさっきやばかった。おまえ、俺の事あっち行けっつって、崎本部長に寄りかかったじゃん、あれマジでショックだったんだかんな?」
「・・・ごめん、寄りかかったっていうか、宏光に触れられたくないと思ったらたまたまそこに崎本部長がいただけなんだけど。」
「どっちにしてもショックだわっ!」
そう、だね。
付き合って初めて宏光の事信じられなくなりそうだった。
桐谷部長を相手に私が勝てる訳ないんだもん。でも・・・、
「嫌な態度取ってごめんなさい。」
私も起き上がって素直に頭を下げる。
すると宏光は私の手を優しく握ってきた。
「なぁ、A?俺はさ、さっきは桐谷部長にふらっと気持ち持ってかれてたけど、おまえを裏切るような事は絶対にしないから。」
「・・・なにそれ。気持ち持ってかれてんじゃんっ、」
「一瞬だよっ、一瞬!でも一線を超えるような事はしないって、約束する。」
・・・何言ってんだか。
一瞬でも大きい罪だよ。
でも、それだけ宏光は桐谷部長に恋してたって知ってるから許してあげる。
きっと、私を好きでいてくれてるのとはまた別の種類の、”好き”だ。見てればわかる。
そこは、私は生涯かけても桐谷部長に敵うことはないだろう。
「俺、おまえを幸せにしてやるって決めてんだから。だから何があっても俺の事信じてて?あんな風に拒絶されんのとかもうごめんだから。」
懸命に私を説得するような口調。
その真剣さがプロポーズを受けた時の宏光の顔と同じでその日を彷彿とさせる。
「うん。ごめん。少しでも疑って。っていうか自分に自信なかったっ、」
「バカやろ、おまえは俺に愛されてんの。そういう自信は常に持っとけ?」
「・・・うん、ありがと。」
恋焦がれられてなくてもいい。
種類が違う”好き”でも
宏光の隣りにいられるのは、私なんだから。
私は私。
宏光を幸せにするんだ。
「よし!風呂、入れそう?」
「・・・うん、」
「入れてくるわ。一緒に入るぞ?」
「うん。」
「お?素直じゃん、今日は。」
「だってっ、今日はもう離れたくない、」
過呼吸になったり宏光を疑ったり
自分の仕事の仕方も、考えさせられる忙しい一日だったから。
今は一ミリも宏光と離れていたくない。
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haru070917(プロフ) - ありがとうございます。でも北山夫婦のこれからも知りたいかなまた書いて下さい (2020年1月20日 21時) (レス) id: 6044a23124 (このIDを非表示/違反報告)
Haru(プロフ) - あやかさん» 本編読み終えて下さったんですね!長い時間お疲れ様でした^^;ありがたいです。続編というか完全に桐谷部長のお話になるのでまた、趣向が変わるかもです。が良ければお付き合い下さいーっ♪ (2019年12月21日 21時) (レス) id: 476aea9d9a (このIDを非表示/違反報告)
あやか(プロフ) - 完結お疲れ様でした!遅ればせながら、本編を読み終え、自分の気持ちの中でとても上がっている作品なので、また続編を書いて頂けるなんて、とても嬉しいです(^^)楽しみにしています! (2019年12月21日 18時) (レス) id: d1d73bb006 (このIDを非表示/違反報告)
Haru(プロフ) - りーちゃんさん» 素敵と言ってもらえてほっとしました。読み応えあるものを、と思っていたので嬉しいです(T_T)こちらこそ、ずっとお付き合い下さってありがとうございました!!(^^) (2019年12月21日 13時) (レス) id: 476aea9d9a (このIDを非表示/違反報告)
Haru(プロフ) - nanacoさん» スッキリできてたー?いつもラストは難しいなって思うよ^^;nanacoちゃんもずっと読んでくれてありがとー!スピンオフもよろしくね♪ (2019年12月21日 13時) (レス) id: 476aea9d9a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Haru | 作成日時:2019年11月23日 20時