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「・・・い、おいっ、起きろっAっ!」
ひぇ?
「ヨダレ垂らして寝てる場合かっ、遅刻!急げっ!」
「ひぇ?!」
時計を見るともういつもなら家を出てる時間で慌てて飛び起きる。
「宏光!なんでもっと早く起こしてくんないのっ?!」
「ばかやろ、今俺も起きたの!あーーーっ、ワイシャツ!どこ?!」
「どこって、いつものとこだってっ。」
「ないのっ、一枚もっ。」
「えーーー?!?!」
宏光と結婚して半年。
季節は新しい春を迎える頃になった。
それにしても主婦業と仕事を両立なんて元々不器用な私に出来るはずなんてなかったんだと痛感させられる日々。
バタバタと用意をして二人で電車に駆け込んだ。
「ギリ、セーフだな。」
息を切らしながらふぅーっと息を吐く宏光を睨んでしまう。
朝からめちゃくちゃ全速力で疲労感半端ないんですけど?
「・・・んだよ?」
「宏光のせいだよ?お腹減ったっ。朝ごはんは食べたい派なのっ。」
「俺だって食いてーよっ。なに?寝坊したのが俺のせいだって?」
「だってっ。」
だってっ。
もう眠いって言ってんのにコトが始まって
しかもすんごい長いんだもんっ。。。
気付いたらいったい、何時間経ってんのって・・・・・・っ、
「・・・俺のせーじゃねーだろ?」
吊り革を持って並んでる私の耳元に、さり気なく近付いてくる宏光の唇。
「誘ってんの、そっちだから。」
途端顔が真っ赤になるのがわかる。
「さ、誘ってなんかっ、」
こ、ここっ、電車の中っ、
それ以上なにか言う前に次の駅に着いて
人がごった返して来て押し黙るしかない。
言い逃げ。ずる。
宏光を横目に睨むと
ふふんって得意そうに窓の外の景色を見てる。
結局、結婚しても私は宏光に振り回されっぱなしだし
結局、なんだかんだで宏光の思うがまま
毎日は流れて行ってる。
主体性のなさ、大発揮な結婚生活。
いいんだけどね。
こんな大変な朝はもうごめんだけど
基本、私はこの生活が気に入ってる。
家事はもう少しちゃんとしたいけど、ね。
先に本社への最寄り駅に着くのは私。
「行ってらっしゃい」と宏光に声を掛けると
宏光は「行ってきます。行ってらっしゃい、」と微笑む。
些細なこのやり取りが、毎日の小さな幸せなんだ。
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haru070917(プロフ) - ありがとうございます。でも北山夫婦のこれからも知りたいかなまた書いて下さい (2020年1月20日 21時) (レス) id: 6044a23124 (このIDを非表示/違反報告)
Haru(プロフ) - あやかさん» 本編読み終えて下さったんですね!長い時間お疲れ様でした^^;ありがたいです。続編というか完全に桐谷部長のお話になるのでまた、趣向が変わるかもです。が良ければお付き合い下さいーっ♪ (2019年12月21日 21時) (レス) id: 476aea9d9a (このIDを非表示/違反報告)
あやか(プロフ) - 完結お疲れ様でした!遅ればせながら、本編を読み終え、自分の気持ちの中でとても上がっている作品なので、また続編を書いて頂けるなんて、とても嬉しいです(^^)楽しみにしています! (2019年12月21日 18時) (レス) id: d1d73bb006 (このIDを非表示/違反報告)
Haru(プロフ) - りーちゃんさん» 素敵と言ってもらえてほっとしました。読み応えあるものを、と思っていたので嬉しいです(T_T)こちらこそ、ずっとお付き合い下さってありがとうございました!!(^^) (2019年12月21日 13時) (レス) id: 476aea9d9a (このIDを非表示/違反報告)
Haru(プロフ) - nanacoさん» スッキリできてたー?いつもラストは難しいなって思うよ^^;nanacoちゃんもずっと読んでくれてありがとー!スピンオフもよろしくね♪ (2019年12月21日 13時) (レス) id: 476aea9d9a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Haru | 作成日時:2019年11月23日 20時