67 宏光side ページ21
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『今日、晩ごはんいりません。』
なんじゃこのメール。
つか、いっつも作ってくれんのAじゃん。
て事は今日は夕飯何もないってことだな。
いりません、ってなんだよ。
食べて帰るって事?
それならそうでいつも食べて帰るって言うじゃん。
二階堂と食べて帰るからこんな挙動不審なメールなわけ?
なんか、違う気がする。
そもそもこんな素っ気ないメールとか。
怒ってる延長か?
わかんないけど、無駄になってもいいやって思ってデパ地下で惣菜を買い込む。
どれも美味そうだけど、自然とAの好きそうなものばかりを選んでる自分に苦笑いする。
なんだよ、今の俺の心境ってさ?
本気で兄貴としてか男としてか
その境目が曖昧すぎてわかんねー。
わかるのはあいつが傷付いて欲しくないって強く思う気持ちと
ずっと笑ってて欲しいって願ってる気持ち。
それは以前から変わらないつもりなんだけど・・・
自分の気持ちを自覚した途端、
Aとの距離の取り方に戸惑ってるのは確かで。
だからかな?
無類の甘党の妹の為に
いつも、贅沢だから特別な日しか買わないって我慢して指くわえて見てる高級デザートを、あいつの顔を思い出して手に取ってしまうのは。
家に帰ると早い時間なのにAの部屋の電気が付いてる。
・・・やっぱりどこかに食いに行った訳じゃねーんだ。
静かにAの部屋のドアを開けると
ベットを背もたれに何をするわけでもなくただ、座ってたみたいだ。
なにがあったんだ?ってすぐ問い詰めたいけど
聞けない雰囲気がそこにはあって。
やんわりと訊ねてみてもはぐらかしてくるから
とりあえずメシ食わしてからだなって。
あいつの好きなものばかり選んで良かった。
Aはとりあえず美味いもん食えば元気になんだから。
食べ物でしかAを元気にしてやる術がわかんない情けない兄貴だよ、俺は。
階段を降りてくる音が聞こえてひとまずほっとする。
Aに海老のサラダを大盛りで皿に盛って
差し出すと、黙って手を合わせてるから俺もいただきまーすって呟いた。
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Haru(プロフ) - さっこさん» ありがたいですー(T_T)伝わってるかな?わかりにくいかな?って本当に心配になるもので(--;)え。遠慮なくコメント頂ければ嬉しいです♪さぁ、これから第3章、お楽しみに!むふふ。 (2020年3月14日 15時) (レス) id: a682c15f64 (このIDを非表示/違反報告)
さっこ(プロフ) - 私はこのお話大好きですよ!って、改めて言わなくても知ってますよね(笑)私ばっかりコメント連続してて、さすがに他の方が書くまで控えようと思ったんですが、意思が弱すぎました…。お兄ちゃんの自覚と、周りの気付きによって変わっていく事に期待してます! (2020年3月13日 22時) (レス) id: 6eb9e2cf38 (このIDを非表示/違反報告)
Haru(プロフ) - さっこさん» いえいえー、毎回ありがとうございます!!さっこさんの願望。。。言いたいけど内緒にしときます!(笑)最後までお付き合いくださいー♪ (2020年3月6日 18時) (レス) id: a682c15f64 (このIDを非表示/違反報告)
さっこ(プロフ) - 何か毎回コメントしつこくてすいません…( ; ; )終わりまでストーリーが見えた?うわぁぁ、めちゃくちゃ気になります!早く書きたくて仕方ないなんて、読み手としては楽しみで嬉しい限りです!…あれ?何となく私の願望は叶わないような気がしてきたんですけど(笑) (2020年3月6日 12時) (レス) id: 6eb9e2cf38 (このIDを非表示/違反報告)
Haru(プロフ) - さっこさん» それがですね、一気に終わりまでストーリーが見えて早く書きたくて仕方なくなりました(笑)大きな流れは考えて書き始めるんですがどうしても途中ふらふらしてしまって(--;)でももう決まりましたので迷いなく書き進めたいと思います!妹ちゃんの行く末を見届けて下さい! (2020年3月6日 12時) (レス) id: a682c15f64 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Haru | 作成日時:2019年10月20日 11時