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でも、お兄ちゃんの自転車の後ろに乗るのは嫌いじゃない。


昔からずっと乗せてもらってて
そこは私の一番安心出来る指定席だったから。


だから、お兄ちゃんの背中にギュっと抱きついてみる。




「・・・あちーよ。」


「いいじゃん。怖いんだもん、」


「スピードはあるけど安全運転だべ?」




わかってるよ。
私を乗せてる時のお兄ちゃんは必要以上に運転に気を付けてるっていうのは。




地元はやっぱり軽井沢とは比べられない程暑くて。
日差しに照り付けられながらも
風を切って走ってるから気持ちいい。
その風に乗ってお兄ちゃんのTシャツの匂いもいつも通りで帰ってきたなぁって。




「楽しかったかぁ?」



グングンこぎながら、お兄ちゃんは色々と聞きたい事があるんだろうけどまず初めにそう聞いてきた。



「・・・うん、楽しかった。」


「にしては顔が浮かねーじゃねーか。」


「そんな事ないよ。」


「二階堂となんかあった?」


「・・・・・・なんにも、ない。」





途端、キュッと止まる自転車に体がお兄ちゃんに押し付けられる。





「ちょ、急に止まんないでよっ。」


「ちょっと寄り道すっか。」




そう言って、ユーターンしたお兄ちゃんは
私達がよく行ってた駄菓子屋の前で自転車をとめた。




「ほら、なんでも好きなもん買え?」


「わーい!」





って。
条件反射で喜んでしまった。



これくらい、私でも買えるわよって思うけど
いつもこうしてお兄ちゃんに連れて来てもらった事を思い出してテンションが上がる。



「じゃあ、これと、これと、これと、これ!!」



10円の駄菓子三つと、普通にソフトクリームにする。


あいあーいって目を細めて駄菓子屋のおばあちゃんにお金を払うお兄ちゃんはいつまでも昔のまんま、変わらない。



「よし。食うか。」




隣りの公園。
木陰のベンチに座って早速私のソフトクリームに口を付けてくるお兄ちゃん。





「いっっっっつも私より先に食べるよねっ?」



ソフトクリームの絞り終わりのこの先の尖ったとこ??
この楽しみが私には毎度与えられない。



「金出してんの誰だ〜?」



・・・毎度、こう言われるのももう決まり事だ。

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設定タグ:北山宏光 , 二階堂高嗣 , Kis-My-Ft2   
作品ジャンル:恋愛
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Haru(プロフ) - さっこさん» ありがたいですー(T_T)伝わってるかな?わかりにくいかな?って本当に心配になるもので(--;)え。遠慮なくコメント頂ければ嬉しいです♪さぁ、これから第3章、お楽しみに!むふふ。 (2020年3月14日 15時) (レス) id: a682c15f64 (このIDを非表示/違反報告)
さっこ(プロフ) - 私はこのお話大好きですよ!って、改めて言わなくても知ってますよね(笑)私ばっかりコメント連続してて、さすがに他の方が書くまで控えようと思ったんですが、意思が弱すぎました…。お兄ちゃんの自覚と、周りの気付きによって変わっていく事に期待してます! (2020年3月13日 22時) (レス) id: 6eb9e2cf38 (このIDを非表示/違反報告)
Haru(プロフ) - さっこさん» いえいえー、毎回ありがとうございます!!さっこさんの願望。。。言いたいけど内緒にしときます!(笑)最後までお付き合いくださいー♪ (2020年3月6日 18時) (レス) id: a682c15f64 (このIDを非表示/違反報告)
さっこ(プロフ) - 何か毎回コメントしつこくてすいません…( ; ; )終わりまでストーリーが見えた?うわぁぁ、めちゃくちゃ気になります!早く書きたくて仕方ないなんて、読み手としては楽しみで嬉しい限りです!…あれ?何となく私の願望は叶わないような気がしてきたんですけど(笑) (2020年3月6日 12時) (レス) id: 6eb9e2cf38 (このIDを非表示/違反報告)
Haru(プロフ) - さっこさん» それがですね、一気に終わりまでストーリーが見えて早く書きたくて仕方なくなりました(笑)大きな流れは考えて書き始めるんですがどうしても途中ふらふらしてしまって(--;)でももう決まりましたので迷いなく書き進めたいと思います!妹ちゃんの行く末を見届けて下さい! (2020年3月6日 12時) (レス) id: a682c15f64 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Haru | 作成日時:2019年10月20日 11時

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