女心とミツと空。【完結】

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「おじょ〜、今日なにしてんの？」


「なにって。･･･、」





久しぶりに沢村くんに仕事以外で話しかけられるから今更なんだろうってびっくりする。





「来ない？ウチ。」


「えっ？だって彼女は？」


「昨日から実家帰ってるからさ〜、久々Aともいたいなって。」







・・・・・なにそれ。









相変わらず最低
「最低だなおまえ、」







振り向くと見た事ないくらい冷えた目をした北山が私達の後ろに立ってた。





「なんで北山さんにそんな事言われないとダメなんですか。」





悪びれる様子もない沢村くんに
めちゃくちゃ睨みを効かせる北山にゾッとした。







「俺の女だから。こういうの金輪際やめてくれる？」




少し目を見開いて驚いた沢村くんは
そっすか、と軽く返事をしてさっさとフロアを出て行ってしまった。





「･･･もう上がりだろ？帰ろうぜ。」




私を迎えに来たらしい北山はまだ怒ってる。




二人で会社を出てもずっと黙ったまんまでスタスタと先を歩いてるし。



私は後を小走りで追いかけてその背中に話しかけた。




「もう、まいっちゃうよね、沢村くんたらほんと、どーしよーもないっていうか。」


「･･････。」


「そ、そんな怒らなくてもいいじゃん。沢村くんなんてだいたいいつもそんな感じだったし、」




私の言葉で急に立ち止まるからその肩にとんっ、とぶつかる。





「･･･おまえは腹立たねーのかよ？」


「腹は立つけど･･･、こんな人だったからどうしようもないって言うか、だから北山も聞き流して忘れよ？ね？」


「ばか、ちげーよ。俺はおまえがまだ沢村に甘いのが腹立ってんの。」




振り向いて私の顔を見る北山は
悲しそうに、･･･怒ってる。




「いつまでもそーやって沢村を甘やかしてるから付け入られんだろ？」


「そんな、事･･･、」




ある、な。



関係を持ってる時から
連絡を取らなくなってからも



それはまだしも振られてからこんなに時が経った今でも
私は沢村くんの言う事はなんでも広い心で受け入れてあげようとしてない？




「ばかやろ、早く忘れろ」




冷たく言い放ってまた私をおいて先を行ってしまう北山の背中を戸惑いながら追いかけた。

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