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「付き合おうぜ、俺ら。」
「やだ。」
「まだ言うか?それ。」
「だって、私、北山の事好きじゃないもん。」
「嘘つけ。顔が好きだっていってるぞ?」
「言ってない。」
抱きしめた私の体をユラユラと揺らし出す北山に身を任せてると安心しちゃう。
「わかった。じゃあ、今日はすき焼きすっか。」
「・・・はい?」
「美味いもんたらふく食って風呂はいって寝よ。」
「・・・なにそれ。」
「でさ。今日こそは手出していい?」
「・・・私、ダメだって言ったこと一度もないけど?」
「バカ。そーゆーんじゃねーよ。したら帰れとか体目当てとかまだ言われんの?俺。わかってんだろ?」
「・・・・・・、」
・・・・・・。
「好きな男に抱かれてみたら?」
「随分な自信だね。」
「そうね。ずっと無理だと思ってたけど今日のおまえ見てたらイけるって思ったから。」
小坂さんと一緒にいた北山を見てからの私、
やっぱりおかしいよね?
北山の事・・・失いたくないって思ってきてるんだもん。でも、
「でも、でもさ、キスしたら嫌ってなるかもよ?」
「・・・じゃ、しねーよ。」
「そこはクリアしてもさ、もししてる最中でやっぱり好きじゃないってなったら?」
「・・・そしたら途中でやめる。」
「じゃあ、じゃあ、終わってからなんか違うって」「つか、全部なんで違う方向行くんだよっ?!」
だって。
だって、もし、北山のこと好きじゃないって気付いて北山を傷つけたく、ない。
「大丈夫だよ。ぜってー、俺の事好きだから、おまえ。」
「・・・そっかなー。」
「気持ちよくしてやるって。」
「・・・・・・それは、・・・・・・沢村くんより?」
途端ガバっと、離された体。
「おまえ、マジでデリカシーって言葉知ってっか?」
「知らない。」
知りたいのは本当に沢村くんを忘れさせてくれるかって事だけ。
まだ、覚えてる。
忘れられなくても消えてくれない沢村くんの肌の匂いや感触を。
それは思い出そうとしなくても勝手に私の体に刻み込まれてどうやっても無くなんないんだ。
はぁーっと盛大にため息を付いた北山を
なんだか直視出来なかった。
そんな私の顔を覗き込んできた北山は
頬に手を当ててきた。
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Haru(プロフ) - にかみつばさん» みっくんの長年の恋がようやく実っての、完結でした。そう言って頂けてありがたいです!また他作品、遊びに来てくださいね!ありがとうございます(^^) (2020年5月25日 14時) (レス) id: a682c15f64 (このIDを非表示/違反報告)
にかみつば(プロフ) - みっくんの恋が報われて嬉しいです。もっともっと読んでいたかったです。 (2020年5月25日 12時) (レス) id: 74d56dba5b (このIDを非表示/違反報告)
Haru(プロフ) - りーちゃんさん» ありがとうございますー!みっくんの長年の口説きにようやく落とされまして無事完結致しました(笑)そうですよね、私ラブラブがなかなか書けなくてすぐ終わりにしてしまう悪い癖が(笑)他作品もよろしくお願いいたします♪ (2020年2月25日 16時) (レス) id: a682c15f64 (このIDを非表示/違反報告)
Haru(プロフ) - さっこさん» さっこさんもいつもコメントありがとうございます!番外編。。ちょっと今は考えられないですがそう言って頂けるのは幸せです。また読み直して下さるとは。。ありがたいですーっ、他作品も頑張ります♪ (2020年2月25日 16時) (レス) id: a682c15f64 (このIDを非表示/違反報告)
Haru(プロフ) - みちこさん» ありがとうございます!女は愛される方が幸せ。。まさにこの物語がそうですよね。それが北山さんなら。。言う事ないのですが(笑) (2020年2月25日 16時) (レス) id: a682c15f64 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Haru | 作成日時:2019年9月29日 8時