女心とミツと空。【完結】

４ ページ4

「その浮かない顔からして、それ以降連絡ないんだろ？」


「･･･わかる？」



えへっ、て笑ってみたけど
ちゃんと笑えてるか自信はない。




「おまえなっ、･･･はぁー、もううるせー事言いたかねーけど。もう二人では会うなよ？」


「･････････でもっ、」
「でもじゃねーって。もうそれで終わり。諦めろっ？」



やだ。
やだって。



だって、抱きしめて貰ってる時は私だけだったし
ちゃんと愛してくれるし気持ちよくしてくれるし
そこには沢村くんの”愛”がちゃんとあるんだもん。



その、愛を知ってしまったら
またもう一度っ、て思うんだよ。




「私の話しはもういいよ。それより北山、彼女とは？上手くいってる？」


「あ？なんで俺がおまえと恋バナしなきゃいけないんだよっ。」


「だって、私ばっか聞いてもらってるからさー。」


「おまえのは恋バナじゃないわ。変な男に引っ掛かってるから説教してるだけだろ？」


「変な男じゃないもん。沢村くんは。」


「あぁ？！まだ言うか？」



おまえ、マジバカ、そんな頭わりー奴だと思わなかった
あいつのどこがそんなにいい訳？
とかまたグチグチ言ってくる北山の声なんて正直右から左へ受け流してた。



沢村くんはまた私を誘ってくれるから。
私は必要とされてるから。



そう思えば北山の小言なんてどうでも良かった。
それよりもこの週末を沢村くんは誰とどう過ごしてるんだろう？ってそんな事ばかりを考えてた。



すると、途端鳴り響く私の携帯。
画面を確認すると沢村くんからで
それを見ただけで胸の奥が疼く。



画面をタップして携帯を耳に押し当てると
A？って会社で聞くのとはまるで違う甘い声が聞こえてきてなんだか泣きそうになった。




『今すぐ、来れない？来てよ。』



私が今、何してるのかなんてお構い無しに
一方的にそう言って電話は切れた。




「北山っ、私、行くね？」


「･･･マジかよ、おまえ、」


「マジなの。行かなきゃ、じゃあね、」




北山の私を見透かすような目
バカな女って軽蔑する？
でもいいじゃん、北山に迷惑かけてないっ、



ほんとは、私だって気づいてるよ。
都合のいい女にされようとしてるって。



でも･･･、




もう、止められない。

５→←３

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す