女心とミツと空。【完結】

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「俺じゃ嫌かよ？」


「･･････。」






ずるい聞き方。


こんなに有無を言わさず傍にいて
もう北山が家にいるのも、当たり前になってて
なんならたまに泊まってったりするのも違和感ないし
朝起きた時に抱きしめられてる事だって別に嫌ではない。


でも、はっきり、付き合うってなると、




「ねぇ。」


「なにがねぇ、だ。」


「もう、北山ったらせっかちさんだからさー。」


「あ"ぁ？けっっっこう、待ってるぞ？俺っ、」


「そーかなー。」





私が沢村くんに振られたのが寒い寒い冬。
それから三ヶ月程、記憶無いくらい落ち込んでて
その間北山は私とずっと一緒にいてくれたわけだけど。




そこから･･･




「告ってから一年経ってっぞ？」


「･･･ですよねー。」


「覚えてたか。」





なんとなくね。



って言ったらまた怖いから黙っとこ。



北山の気持ち、か。


またテレビを付けてさっきの続きを再生する。






大きなため息とともに北山はビールを飲んでる。





「･･･俺さ、結構モテんの。」


「知ってるー。」


「総務の小坂。知ってる？」


「知ってるー。」


「告られちゃってさー。」


「そーなの？」


「どう思う？」



どうっ、って。



「ねぇ。」


「ねぇ、じゃねー。」









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「･･･北山がいいならいいと思う。」








「･･･マジで言ってる？」








「･･･うん。」







だって。
私には止める資格、ない。









北山は食べかけのお鍋をそのままに
無言でそのままコートを着て出ていってしまった。








怒った？
いや、違う。
こんな私にもう愛想尽きたんだ。




小坂さんか。




いいんじゃない？
若くてぶりっこで可愛くて、きっと連れて歩くには申し分ない彼女だよ。



ただ、北山とお似合いかっていうと、どうかとは思うけど。



北山って、北山ってさ。









・・・どうして、私を好きだったのかな。









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