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北山の腕の中。
その温もりに包まれたら一気に眠気が襲ってきた。
ずっと、眠れないし食べられなかった。
で?
どうやら北山が私に同情してるようだ。
バカな奴。
アキちゃんと別れたとか?
なに血迷ってるんだろう?
私の為に別れるなんて私はそんな価値のある人間じゃないのに。
「・・・なぁ?俺が聞いてもいい?沢村に。」
背中越しにくぐもった切なげな声は
初めて聞く声で私も戸惑う。
「ダメだよ。やめて。」
「そもそもいつも、沢村何考えてんだって思ってたんだよ。一回俺がガツンとさ?」
「バカじゃない?沢村くんみたいに女にだらしない人なんて山ほどいるでしょ。正義感振りかざして冷めた目で見られるのがオチだよ。」
「・・・おまえ、そこまでわかってて、いい加減やめろよ、じゃあ。」
・・・わかってるよ。
やめたいよ。
でも好きなんだもん。
でも・・・・・・
沢村くんにもう相手して貰えない、としたら、
私・・・どうなっちゃうの・・・?
久しぶりの食事に満たされたからか
北山の腕の中が安心したからか
そのまま、いつの間にか眠ってしまってた。
・
目が覚めたら真っ暗な部屋のベットの中。
北山に後ろから抱きしめられてて身動きが取れない。
時計を確認しようと動くと北山の腕に力がこもった。
「・・・どこ行くんだよ、」
「あ、何時かな、って、」
「まだ夜だよ。寝るぞ。」
更に羽交い締めされて耳元から北山の寝息が聞こえてきた。
何この状況。
沢村くん以外の男の人の匂いが違和感がありすぎてもう眠れなくなっちゃった。
嫌なんだけど。
なんなの?北山、いきなり私を女扱いしておかしいよ。
私は、沢村くんが好きだって知ってるでしょ?
それで満足してるんだからほっといて欲しいのに・・・
・・・・・でも、捨てられちゃったら?
いつかは私だけを見てくれる、と思ってたのに
今も、あの部屋で、あのベットで沢村くんが地元の女と眠ってるんだ、と考えると不安でどうしようもなくなる。
いつかは沢村くんだって痺れを切らして追い出すよね?
いつかは出て行ってくれるよね?
だって、沢村くんだよ?
一人の女に絞って同棲なんて・・・
そんな長く続くはずない、
・
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Haru(プロフ) - にかみつばさん» みっくんの長年の恋がようやく実っての、完結でした。そう言って頂けてありがたいです!また他作品、遊びに来てくださいね!ありがとうございます(^^) (2020年5月25日 14時) (レス) id: a682c15f64 (このIDを非表示/違反報告)
にかみつば(プロフ) - みっくんの恋が報われて嬉しいです。もっともっと読んでいたかったです。 (2020年5月25日 12時) (レス) id: 74d56dba5b (このIDを非表示/違反報告)
Haru(プロフ) - りーちゃんさん» ありがとうございますー!みっくんの長年の口説きにようやく落とされまして無事完結致しました(笑)そうですよね、私ラブラブがなかなか書けなくてすぐ終わりにしてしまう悪い癖が(笑)他作品もよろしくお願いいたします♪ (2020年2月25日 16時) (レス) id: a682c15f64 (このIDを非表示/違反報告)
Haru(プロフ) - さっこさん» さっこさんもいつもコメントありがとうございます!番外編。。ちょっと今は考えられないですがそう言って頂けるのは幸せです。また読み直して下さるとは。。ありがたいですーっ、他作品も頑張ります♪ (2020年2月25日 16時) (レス) id: a682c15f64 (このIDを非表示/違反報告)
Haru(プロフ) - みちこさん» ありがとうございます!女は愛される方が幸せ。。まさにこの物語がそうですよね。それが北山さんなら。。言う事ないのですが(笑) (2020年2月25日 16時) (レス) id: a682c15f64 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Haru | 作成日時:2019年9月29日 8時