オレの妹の恋愛事情。

２５ 宏光side ページ26

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「俺、あんなパッとせーへんやつに負けてるとか悔しすぎるねんっ、」





またビールをぐびぐび。
今、まだ昼前だぞ？大丈夫かよ、こいつ。




「俺よりイケてんなら充分イケてんだろうよ？」



それはそれでむしろ心配。



「だからおまえよりイケてへんゆーてるやろがっ。」





ダメだな。
大倉の話はまったくわかんね。




「っつか、そもそもそいつが本当にAの好きなやつな訳？そもそも。影から見てただけでなんでわかんだよ？」



「完全に俺の見た事ない恋する顔しててん。」






項垂れる大倉を見て俺もつられて項垂れた。





「まじか。」


「アホ。シスコンならシスコンらしく妹の外泊とか禁止しろや。」





したいに決まってんじゃん。
同期の女の子だけで行くって聞いた時から男もいるだろってわかってた。



その中にもしかして”好きな人”もいるのか？ってモヤモヤと考えもした。



でも、




「･･･そこまで出来ねーんだよな。」




出来ない。したいけど。したいに決まってる。
心配でたまらないけど。出来ればついて行きたいけど。
あいつの楽しそうな顔見て行くな、とかなんの権限があって言えるんだって。



さっきのAのソワソワした姿。
この日の為に美容院で切ったヘアスタイル。
無駄にいつもより可愛げな服装。



行く前から恋してる顔のAに言うのははばかられた。


だから一応、どんな奴が来るかだけは把握しときたくて。









「二階堂だ。」


「あ？」


「そいつは二階堂って言うらしい。」


「名前わかってんの？きしょ。」


「おまえに言われたくねーわっ。」






二階堂め。
俺の妹をどうしてくれるわけ？
Aの反応からいくとまだ付き合ってはなさそうだ。



でも、あんな顔で見つめられたらきっと二階堂もAにメロメロになるはず。間違いない。



俺の妹は悪いけどその辺の女よりも別格でかわいいんだぞ？





「くっそぉー。」



やっぱり縛り付けてでもなんでも行かせるんじゃなかった。



大倉の飲みかけのビールを奪い取って
半分ほど残ってるビールを一気に飲み干した。





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