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「行ってきます!!」
これ以上お兄ちゃんといたら洗いざらい吐かされるっ。
お兄ちゃんの鋭い視線から逃げるようにそそくさと家を後にした。
待ち合わせはうちの最寄り駅だったけど
まだ時間まで三十分もある。
駅前のコーヒーショップでお茶でもして待ってるか、と入ろうとした時、
「あれ?Aちゃんやん!」
聞き馴染みのある男の人の声。
私の好きなゆるーく人懐っこい声で呼びかけられて振り向く前から微笑んでしまう。
「大倉くん!」
振り向くと爽やかに、なんでここおんのー?と大倉くんもニコニコと近付いて来てる。
「今から会社の同期と軽井沢に遊びに行くの。」
「へぇ。同期ってもしかしてこの前言ってた好きな人も来るん?」
「あっ、そ、そうなよねっ。だから緊張しちゃって。」
「そうなんやぁ。今からここ入んの?待ち合わせ?」
「あ、うん、少し早く来たから時間潰し。」
なら俺も付き合うー、と当たり前のように私の荷物を持ってくれて一緒に店内に入ってくれる。
「はいっ、Aちゃんの。」
席取っといて〜って言われて座ってると
なんにも言ってないのに私の好きなクリームの乗ったカフェモカを差し出してくれる。
「ありがとー、お金いくらだっけ?」
「いらん。その代わり一口ちょうだい。」
財布からお金を出そうとする手をやんわり押さえながら横からちゅーってストローを吸ってる大倉くんの顔が目の前に。
わ、飲んじゃった・・・
至近距離でうまーってニッコリする大倉くんに
じゃあ、ごちそうになります、とキョドりながらも言って
目の前の大倉くんの口の付けたストローを見つめてしまう。
こんな事気にしちゃダメだよね。
間接キス、とか学生じゃあるまいし・・・
変に気にするとそっちの方が意識してるの?って思われるだろうし、えい!って私もそのストローに口を付けた。
ふぅー、
たかが男の人との間接キスに内心狼狽えながらそれを誤魔化すように半分くらいごくごくと飲んでしまう。
ふと隣りに座ってる大倉くんからの視線・・・
「えっ?なになに?」
肩肘ついて結構な真顔で見つめられてた。
「飲んじゃったんやね、俺が飲んだストローで。」
にやぁ、って笑ってから自分のアイスコーヒーを飲み出す大倉くん。
もはやどれが正解かわかんないっ。
やっぱり私は男の人に慣れてなさすぎる。
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Haru(プロフ) - たいやきさん» ありがたきお言葉ー!(T_T)必ずや必ずや、完結致します!励みになります!頑張ります(>_<) (2019年10月20日 15時) (レス) id: 476aea9d9a (このIDを非表示/違反報告)
たいやき(プロフ) - こちらの作品、大好きで、いつも更新楽しみにしています!!!完結できますよう、心から応援しています!!頑張ってください! (2019年10月20日 13時) (レス) id: 2edd79c1bf (このIDを非表示/違反報告)
Haru(プロフ) - moraさん» ねぇ。どえむには堪らん表情よっ。次からは北山さんオンパレードにするつもりなんでご期待くださーい♪ (2019年10月18日 19時) (レス) id: 476aea9d9a (このIDを非表示/違反報告)
Haru(プロフ) - nanacoさん» よ、よかった。面白いって言って貰えて(笑)nanacoちゃんみたいにサクサク書けたらいいんだけどなぁ(--;) (2019年10月18日 19時) (レス) id: 476aea9d9a (このIDを非表示/違反報告)
mora(プロフ) - きたっ!北山さんきたっ!優しい声で無表情!されたーい! (2019年10月17日 23時) (レス) id: daf44fdab0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Haru | 作成日時:2019年7月29日 19時