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「もっかい確認するけど、玉じゃなくて二階堂なんだな？」


「･･･はい。」





マジかよっ、と、小さく呟いて項垂れてる。



二階堂だったらそんな変かな？





「俺はさー、玉ならそっち行くかもなっとか予想はしてたの。よりによって二階堂･･･、」


「あのっ、二階堂、良い奴ですよ？」


「･･･男としても？」


「それは、はい、まあ、そうです。」





急に、真面目な顔して訊ねられて
グダグダに返してしまった。




そっかー、とまた軽いモードにシフトチェンジした北山さんは椅子から立ち上がり窓際に歩いてってる。
何回も禁煙ですって言ってるのに窓を開けてタバコを取り出した。




「やっぱり最初からの距離の近さはこの短期間じゃ埋めらんなかったか。もっと、長期戦なら勝ててたのになぁ。」


「･･･はぁ。」





自信満々なままの北山さんでなんだか少し安心する。


そして、相変わらず言い方はチャラくて
このチャラさに今の私は救われてる。





窓の外へタバコの煙を吐き出してる北山さんの表情はわからなくてそこが少し不安になるけど。



そのままの体勢で




「どうして二階堂？」




玉森と同じ質問をされて
私は自分で少し整理出来た答えを探し出した。




「いて欲しい時に、いてくれた、からです。」





それはいつでも。
最初は自分の気持ち隠して私の相談に乗ってくれて
そのうち告白してきても同じ距離感を保ってくれた。




自然に、気がつけば、私が求めてた時にいつも寄り添ってくれてたのはタカシだったんだ。




でも私の答えは北山さんを、納得させるものではなかったのかもしれない。





「俺も、そうしたつもりだったんだけどな。」


「北山さんもっ。色々と、ありがとうございました。」





振られた次の日に誘ってくれたのは北山さんで。
すぐに私の変化を察してくれたのも今となってはありがたかったし。



すごく苦手だった”ミツ”
が今結構好きな先輩、になってるのも自分で驚いてるし。









「A、」




振り向くなりいきなり名前で呼ばれて少しドキってしてしまった。






「最後にキスしよっか。」






へっ？？？？







ふふんっとタバコの火をもみ消して
笑いながら私の方へ歩いてくる北山さんに
椅子から立ち上がれず固まってしまう。




「一回、成瀬を名前で呼んでみたかったんだよね。」


「は、はぁ。」


「よし、立て！」

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