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※ ページ27

『あ、出た！！』



「出るよ。しつこいんだもん、ニカ。」



『あ？じゃあ最初っから出ろってっ。』




なんで息切れしてるんだろう？
それもおかしくてまた笑ってしまう。




『･･･なに？なんか楽しそうじゃん。』



「楽しいよ。ニカが携帯出てない時から笑わせてくれんだもん。」



『なにそれ？ってか今玉といんの？？』



「へ？玉森？」



『俺が残業してる間に二人で帰ってんじゃんっ！』



「あっそれで拗ねちゃってるわけ？」



『･･･拗ねるって･･･、もうおまえやだ。』






･･･ごめん。
ニカの気持ち聞いたのにこんなあしらい方ダメだよね。




玉森と二人きりになった私が心配だったんでしょ？




「ごめん。玉森は普通に送ってくれただけ。今、一人。」




それでね？
さっき太輔にお別れを言った所なの。



そう言いたいけどそれを今、なぜだか言えないでいた。



それを言ってしまうときっとニカは急いでここまで来てくれる。






来て欲しいような来て欲しくないような。



だって私はニカが望む私になれないんだもん。






『マジで？送って貰っただけなの？』





焦ったーって遠くから呟くように聞こえてくる。



「･･･うん。誘われたけど、断った。」



『･･･なんで？』





だってニカの気持ちも聞いて玉森と二人で飲みに行くとか出来なかったんだよ。




「ニカが拗ねるから。」



そう言うと、だから拗ねないって。って悲しそうな声が聞こえて私、また間違ったんだって自己嫌悪。



嫌だな。
私はニカとはずっとこんな調子だったから
今更男のニカとの話し方がわかんないんだって。



困るよ。
もう、私達は前みたいに笑えないのかな。





「･･･ニカのバカ。」



『･･･なんで。』



「男になんないでくれる？調子狂う。」



『俺は前っから男だしっ？ってか産まれた時から男だっつの！』




わかってるよ。
そういう意味じゃない事、いくらニカでもわかるでしょ？






『･･･なぁ？会いたいんだけど。』




らしくない遠慮がちな声が聞こえてきて
なんだかわからないけど泣きそうになる。




イエス、かノーか。
答えなきゃいけないのに言葉が出てこない。





『A、もしかしてなんかあった？』




ほら。すぐそうやって私の気持ちを察してしまうニカだからその声を聞いた途端また涙が零れてしまった。

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