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「ミツには俺から、とか言わないわけ？」


「･･･それはきちんとAから言って。」






･･･びびってんじゃん。バカ。
私もびびってんのよ。






今日は朝顔見ただけだったけど。


明日には言わないといけない。


いつものあの場所でいいだろうか？
それが私と北山さんらしいよね？


きっと北山さんはそっか、了解、なんて軽く受け流してくれるに違いないし。


きっと大人な対応を見せてくれるに違いないし。


きっと･･･


きっと、私なんかが断ったって北山さんはダメージなんて受けずに次にもっと可愛い子を選ぶに決まってるし･･･






って。
全て都合のいい”きっと” ばかり考えたくて仕方なかった。




だって”チャラミツ”の狼狽えてる所なんて見たくないし
なんならチャラミツが振られて落ち込むなんて想像も出来ないし･･･ってさ。




ほんとは、気付いてる。



北山さんはチャラくなんかないし
私の事、本気だったって。



だから、怖い。
ごめんなさいって言うのが、とてつもなく勇気がいるんだ。



私の隣りに横たわるタカシに抱きついてみる。



私の気持ちを察したのか
何も言わず背中に腕を回してくれる。




「やっぱり俺から言おうか？」



静かに首を横に振った。



玉森にニカが言いたかったのは親友だったから。
北山さんの事はやっぱり私が一人でちゃんと決着付けるべきだ。



でも、そう言って貰えただけで頑張れそう。



頑張るって･･･


失礼な話しだよね。
傷付くのは北山さんの方なのに。
私はこんなに幸せなのに。



でも、だからこそどんな顔をして北山さんに言えばいいのか途方に暮れていた。









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「成瀬〜、」






朝一番に北山さんに呼び出される。
太輔からキスされそうになって嫌だった、なんて愚痴ったのはついこの前。



あれから俺にしとけってまた、真剣に言われて
私もいっぱいいっぱいだったからちゃんと断りもせず曖昧に濁したまんまだった。



だから北山さんがその後の私を気にかけてるのは当然で。



それからも電話があったりメールを貰ったりしてたんだけど反応出来ないでいたから。




今しかない。
そう思って北山さんに誘われるまま、いつもの休憩室に向かった。








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