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疲れた。




電車に揺られながら
今日朝からの事を思い返してると
なんとも言えない気持ちになる。




あの後ニカは、やっぱり飲みに行こうぜーなんていつものノリで誘ってくれたけど、どうしても今日行く気にはなれなかった。




お互い何かしら辛い気持ち抱えて飲めない。




きっといつかは心から笑えるようになる。
勝手だけどその時にまたみんなとお酒を酌み交わしたい。



仕事もいつになくやったし
精神的にも肉体的にもクタクタ。



改札を通り抜けて今日は晩御飯食べる気力もないな、とコンビニを横目に前を向くと、







「おかえり。」






目の前にスーツ姿の太輔が微笑んでて
体が一気に脱力した。





「ただいま、」




駅の改札付近は帰宅ラッシュで沢山の人が入り乱れてたけど
もはや太輔しか視界に入らない。




そのまま太輔に向かって一直線に歩いて
回りの視線も気にせず胸の中に飛び込んだ。






「なんで？なんでいるの？」



「Aの家帰ったらまだ帰ってなかったから。早く顔見たくて待ってた。」





そう、やっぱり太輔は完璧だ。
明日出張だから今日は自分の家に帰らなきゃ、そう言ってたのに来てくれたんだ。




私も早く太輔の顔が見たかったの。




でも太輔は




「･･･っていうのは建前で」





と私の顔を上げさせた。





「ちゃんとみんなに断ってきたか心配でいても立ってもいられなかったの。」






少し困ったような表情をしたけど
私の頭をポン、と叩いてとりあえず行こっか、と肩を抱いてくれた。





家までの道、手を繋いで歩く。
ご飯は？と聞かれてまだ、と答えると何か食べて帰ろって。




私達がいつも行ってたお洒落なダイニングバー。



てっきりそこへ行くのかと思ってたらそこのお店を通り過ぎて大衆居酒屋の暖簾をくぐってた。




おしぼりで手を拭きながらじっと太輔を見つめてしまう。



そんな私を見て得意そうに太輔は笑う。





「なに？唐揚げもトンカツもポテトも？好きなんだろ？一緒に食べよ？」




・・・やられた。




嫌なんだけど。
三日前は一緒に食べようと言われて思わず頷いたけど
太輔ともう一度やり直すなら私は以前のルーティンを変えたくない。




有無を言わさずさっきのラインナップが存在感を増してテーブルに並べられたけど、ちっとも嬉しくなんかなかった。

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