カラフル←←

※ ページ2

・




好きな食べ物を我慢する事は苦痛ではなかった。




揚げ物を食べるとすぐに吹き出物が出る私は太輔を好きになってから自然と食べる事を止めた。




それから野菜中心の料理を自分で作るようになって朝はスムージー作ると太輔も喜んでくれたし。




ただ、玉森とニカと飲むお酒の量は控えられなかったけど。
だからあの二人には居酒屋でヘルシーな物ばかり注文する私に、随分と付き合わせた。




･･･あの二人なら私はそんな勝手な振る舞いも出来ちゃうんだよね。
そんな私を好きだと言ってくれるなんて驚きしかない。
完璧あの二人には甘えてた。






とにかく太輔の為に頑張ったんだ。
そしたら見た目の結果は徐々に現れて
肌も荒れなくなって血色も良くなって化粧ノリも良くなって･･･



ジムもバストを上げるように頑張ってたから
ワンサイズカップが上がった時には本当に達成感があった。



ウエストだって細くなった。




中身だって磨かないと太輔に見合う彼女になれないって思って料理教室、茶道教室、着付け教室、フラワーアレンジメント、女子力が上がるものはとりあえず体験に参加してみたり･･･



モノに出来たのは料理と茶道だけだったけど。



それでも充実してた。



太輔の為にって頑張ってたけど
結果それは自分にとってもいい事ばかりで
太輔の存在は私を輝かせてくれるんだって本気で思ってたの。









・・・今の私はなんなんだろう？







とにかく振られた次の日から北山さんと食べた唐揚げが美味しすぎて、飲みすぎて、そこからどうでも良くなって毎日飲み歩いて食べ物も制限してない。



ジムも休んで色々考えてたら眠れなくて睡眠もちゃんと取れてなくて肌も荒れてくるのは当然で･･･





・・・・・ボロボロじゃんっ、





こんな姿を太輔に晒してるなんて。
この至近距離で顔を合わせてる今、逃げたくて堪らない。








・









「･･･ねぇ？太輔？今の私、なんか違うよね？」



「･･･そうだね。俺が今まで見た事ない表情だよ。スキがありありって感じ？悪くないよ。」





いやっ、もはやそこではなくってね？





「肌とかっ、荒れてるし、なんか顔も浮腫んでるしっ、なんていうか、醜くない？」




素直に言ってみる。
だってこの姿の私を黙ってスルーされる方がキツイっ、



私の言葉に途端キョトンとした太輔は
しばらく黙った後なぜか爆笑しだした。

※→←カラフル←PINK

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す