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彼の顔ばかり見ててすっかり見過ごしてたけど
隣りに可愛らしい女の子が彼の腕を取って見上げてるのが目に入った。
・・・そういう事か。
仕事帰りに彼女とデートって所かな。
別に再会を望んでた訳でもないし
付き合いたいと思ってた訳でもない。
一緒にいる女の子があまりにも私とは正反対の様な雰囲気でその事が少し私の自尊心を傷付けたけど。
その女の子と一緒だから
いや、そうでなくても私は素知らぬ振りをして彼とすれ違わないといけない。
いくら彼の事を考えてたから、と言って
何も出来ないのが現状だ。
信号が点滅して青になろうとした時
彼が、私に気付いたように一瞬固まったのがわかった。
別に動揺しなくてもいいよ。
何もなかったみたいに他人の振りをしてあげるんだから。
そう思って青になった信号と共に足を踏み出すと
彼が女の子の腕を引き離して手を振ってるのが視界に入った。
・・・一夜限りの女をそんな牽制しなくたって。
それだけ彼女が大事って事ですか。
私も浮気されてもそれくらい隠し通してくれる彼なら
別れなくても済んでたのかな、なんて今更下らない事を考えながら一歩一歩、近付いてくひろとの距離。
明らかにこっちを見てるひろに、
気が付かない振りをして真っ直ぐ前を向いて歩く。
彼の存在を確かめながら
あの時はありがとう、なんて心の中でお礼すら言いながら
すれ違う瞬間______
パシっと腕を取られた。
驚いた。
まさかそんなアクションを起こしてくるなんて思いもしてなかったから。
目を見開く私に
彼は少し怒ったような表情。
「・・・なんで連絡くれなかったの?」
そう言って元来た道を引っ張られて連れ戻されてしまった。
信号が赤に変わり
車の往来が騒がしく始まるけど
私は私の腕を取るひろの手をただ、見つめるしかなくて
全ての音が遮断されたように何も聞こえなかった。
ただ、
「俺、待ってたんだけど?」
そう言うひろの声だけが耳に響く。
「・・・何言ってるの?私達、そんな関係じゃないでしょ。」
本心だ。
まさか本当に私からの連絡を待ってたって事?
そんな私に彼は呆れたようにため息を付く。
「じゃあ、俺だけだったの?また会いたいって思ってたのは。」
「悪いけど、そういう事した相手と二回目、とかないから。」
浮気相手を限定するとかタチが悪い。
ひろはそういう男だったのか。残念だ。
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Haru(プロフ) - みちこさん» ありがとうございます!なかなか接戦でしたがどれだけ投票が増えてもこれは浮動でした(笑)ご期待に添えるよう、頑張ってみます!♪ (2019年11月11日 21時) (レス) id: 476aea9d9a (このIDを非表示/違反報告)
みちこ(プロフ) - こちらはワンナイト北山ver.になったのですね(^.^)そちらも捨てがたかったので嬉しい(^_^)楽しみにしております! (2019年11月11日 20時) (レス) id: 95022a0a60 (このIDを非表示/違反報告)
Haru(プロフ) - nayuさん» どうしよう?早く続書かなきゃ(笑)なのにここへ来てなーんにも思いつかないという事態が!!どうしよ(笑) (2019年10月29日 16時) (レス) id: 476aea9d9a (このIDを非表示/違反報告)
nayu(プロフ) - くぅぅー!!北山サイドもキュンキュンするーっ!!やっぱり会えない時間、みっくんはモヤモヤしてたのねー!次で終わるの淋しいけど、早く続きがみたいわ! (2019年10月26日 10時) (レス) id: 2eb65113c9 (このIDを非表示/違反報告)
Haru(プロフ) - れいさん» れいさーん♪寝る前に読んで興奮していただけてありがとうございます(笑)ようやく二人きりになって彼女にしてもらいました!ほんとね、もうあの記事がね、やばすぎて!一年の友達期間も楽しめそうだしそのどきどき感が堪らないーっ(興奮) (2019年10月24日 14時) (レス) id: 476aea9d9a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Haru | 作成日時:2019年7月4日 22時