You love me？

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”小さい頃、近所に住んでたひろくん、覚えてるでしょ？
あんた達、仲良かったから。
ひろくんのご両親とね、お互い年頃になっても相手がいなかったら結婚させましょって決めたのよ。”




決めたのって。
今更、そんな話が有効だなんて驚く。
私が途切れなく彼氏いたって知ってるよね？



でも、恋愛がめんどくさいと思う私にとっては
合理的で手っ取り早い話しかもしれない。



･･･相手が私を好きになってくれれば。の話しだけれど。







そしてその相手の視線が今、目の前で私を獲物のように捕らえてる。近所の喫茶店。




「久しぶり。Aちゃん。随分変わったね。」



柔らかい口調とは裏腹でなんだか意地悪そうな顔。



「よく遊んだよなぁ、ガキの頃。虫取りとか鬼ごっことかさ？」



「･･･あ、うん。そう、だね･･･。」




元気で走るのが超早くて木登りも上手な”ひろくん”
その存在はよく覚えては、いる。


けど、




「ひろくん、って人、今年で三十四って聞いたんだけど･･･、」



目の前には明らかに年下の男の人がいて
とても”ひろくん”とは思えない。
本人もこの茶番が面倒でこの人に代理を立てたんだろうか。



そんな事を考えててると



「うん。俺、もうすぐ三十四歳になるけど？」


「･････････え？」


「Aちゃんは三十でしょ？俺ら、四つ離れてたんだよね。そういや。」



なんて事ないように言われて
この人があの、可愛らしくてヤンチャだったあのひろくんなんだってようやく理解した。



･･･なんか思ってるより数段イケメンに成長してるんだけど。


よくよく見ると、面影はあるのか。
目がクリってしてる所くらいしかわかんないけど。



だって、くったくなく笑うイメージだったひろくんは
私と会ってからずっと値踏みするように片方の口角を上げて意地悪く笑ってるだけだ。



「本題に入るけど。」



まだこの状況を整理しきれてない私に彼は冷静に話し出す。



「俺は知ってたよ？Aちゃんが許嫁だって。」


「えっ？」


「だからいずれはAちゃんと結婚するんだって思ってずっと今まで生きてきた。」





･･･そんな。
だって私、途切れなく彼氏いたよ？
･･･たまたま、今フリーなだけで。




「びっくりした？」



ふふん、と笑うその顔、
あ、子供の頃のひろくんの顔だって一気に思い出して懐かしくなる。

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