年上の彼女 short story 【完結】

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｢ど？可愛くない俺はリアリティなかった？｣


｢･･････普通の男の人でした。｣




当たり前じゃん。なんだと思ってたんだよ、俺の事。
バーチャルじゃないんだかんな？




｢で？｣


｢･･････で？｣


｢彼氏になってもいい？｣


｢だからそれとこれとは話し別だって。｣


｢なんで？俺は可愛くもない、普通の男でリアリティバッチリ。いい仕事すっけどな〜。｣






あくまでも余裕のあるフリ。



マジでこのままじゃあ、また明日から仕事仲間でよろしくね、なんて言われないように必死だし。




息が整ったAさんに再び覆い被さる。





｢気持ちよかったっしょ？俺ら相性抜群じゃね？｣


｢･･･それとこれとは別だって、｣





まだまだ落ちそうにないAさんの唇にキスをすると
当たり前のように受け入れてくれる。
それは俺にとってすげー嬉しい事で。




｢満たしてあげるって。心の中も。｣




後はこれしかない。
俺を好きになって？
後悔なんてさせねーから。




でも、Aさんは首を横に振るだけ。




｢男はいらないって言ったじゃん。｣








・・・・ムズいな。






一線越えて
お互い気持ちよくて求め合って満足して満たされて。




それでも俺なんか全然眼中に無い大人の女。



だからって今まで通り何もなかったみたいな関係に戻るのなんて考えらんない。



一度、体の関係になった分
俺は更にAさんに夢中になっちゃってるし。






｢･･･じゃあ、寂しい時は俺に頼ってよ？彼氏になんのは諦めないけど。｣





ここで関係を切るのが嫌すぎて
Aさんに必要な存在になりたくてそんな事まで言ってしまう。



都合のいい男にでもなんでもなるし。





｢ありがと、北山くん。そう言って貰って嬉しかった。本当に今日は落ち込んでたから一緒にいてくれてありがたかったよ。｣



おーーい、やめてやめて



｢やだよ、俺。そんな事言ってサクッとなかった事にする気かよ？俺マジでAさんが彼女になってくれるまで諦めないから。｣



｢･･･北山くん、｣





困ってる顔も可愛い、とかヤバいよな。
ここまで振り向いて貰えないと逆に燃える。


今日は気持ち手に入らなかったけど
でも、俺の気持ちはまだまだ上昇中。



きっといつか、俺の事好きになって？



可愛くない俺を全面に出してくつもりだからさ。



覚悟しとけよ〜？









｢RED｣
Fin

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