年上の彼女 short story 【完結】

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なんだよ、



最後にそうやってちょっと優しい事言っちゃうとかズルくない？








・・・やっぱり嫌だ！



俺はすぐに玄関に向かい外に出た。



マンションの外に出て駅の方を見ると重そうにカバンを持つAが見えた。



夢中で追いかけてそのカバンを持ち上げる。








｢･･･高嗣･･･、｣


｢やっぱダメ。全部理由聞くまで納得しないから。｣





息を切らしてAを見ると
無表情だったさっきとは全然違う、泣きそうな顔してる。






｢･･･なんだよその顔、｣


｢なんでもないっ、｣


｢なんでもなくねーだろ？そんな顔するなら別れたいなんて言うなっ！｣




さっき嫌いだって言われた大声が出てしまったって思うけどそれ所じゃないし。



荷物を片手に
もう片方の手はAの手を握って
引き摺るようにマンションに連れ帰った。








向かい合わせに座るとまたよそ行きの顔を作られそうで
ソファに促して俺も隣に座る。






｢ね、わかんないからさ？Aの思ってる事全部聞かせて？｣


｢だからずっと別れようって考えてたって言ったでしょ。｣


｢それじゃわかんないんだって。俺が頼りないから？子供みたいな所が嫌んなったとか？｣





必死だよ、
思い付く所は歳の差。
もしネックになる部分があるとすればそこくらいしか思い付かない。




｢違うよ、高嗣が甘えん坊で子供みたいな所なんて初めからわかってたし、｣



じゃあ、なんだよ？



いつも笑顔で俺といてくれたじゃん？
楽しそうに見えてたのは俺の気の所為だって言うの？








｢高嗣なんてさ？すぐ向きになって突き放すような事言うし

最初の頃はご飯作ってあげたら大袈裟なくらい喜んでくれたのに、今は当たり前って感じだし

私はそんな気分じゃない時にだって嫌だって言っても構わず押し倒して来たりとかさ？


そもそも強引で自分勝手なんだよ、私が歳が上だから甘えてるのかもしれないけど私は高嗣のお姉さんでもお母さんでもないんだからね？｣




さっきの無表情とは違う。
顔を歪めて今にも泣きそうなAに、
俺は知らない間にこんなに色々と傷付けてたのかって心が苦しくなる。



｢･･･Aの事、姉貴やお母さんだなんて思った事一度もねーよ、｣



でも、強引で自分勝手なのは治せる自信、ないかも。



｢･･････ごめん、A、｣



でも、別れたくないんだけど
俺はどうしたらいい？

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