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３６ 玉森side← ページ36

でも･･･




｢Aにとったら元サヤに戻るのが一番いいのかな･･･｣



諦めたように息を吐きながら二階堂が呟く。




それ。
俺も、そう思う。



Aがフリーになった途端
意気揚々と俺達がっつき過ぎた事ない？



まだ別れ話しから一週間程しか経ってない。
ちょっとした痴話喧嘩してただけかもしれないカップルに
俺達はしゃぎすぎただけかも。






｢玉、悔しいよ俺。なんも出来なかった。｣



｢･･･告白、しなかったの？｣



｢出来なかった。･･････あ！てめー、Aに告ってキスまでしたんだろ？A戸惑ってたじゃねーかよっ？｣





・・・二階堂に相談するってA、罪･･･
そりゃ告白所じゃないか二階堂も。ご愁傷さま。




｢したかったんだもん。二階堂は告白もチューも出来なくて残念だったね？｣



｢んあ？だもん、じゃねーわっ、順番が違えばおまえ俺と同じ立場だったかんな？絶対！｣




そうかもね。
でもその順番を勝ち取ったのは俺だし。




･･･そこまでAが二階堂に話してるって事は･･･




｢A、俺の事、脈アリな感じで話してたっ？｣



こうなりゃどういう風に二階堂に相談してたのかめちゃくちゃ気になる。




｢は？知らねーよっ！脈アリかナシかで言ったらねーだろ、んなもんっ、｣





・・・当てになんないな、恋敵の視点は。




ちぇ、と唇を尖らせた俺に
面白くなさそうな二階堂の顔。




｢全部言っちまうと、ミツも告ってキスしてるぞ。｣





・・・・マジ？




ちょっと驚きすぎて声出なかった。




長い付き合いの俺が少しずつAと仲良くなって
ようやく告白までして、気持ち止めらんなくてついついキスしちゃったのに。




横からいきなり入ってきたミツは
既に俺と同じ行動に出ちゃってるわけ？




ってかさ？
俺はAの隙を付いて一瞬だぞ？



ミツは･･･？
A、拒否んなかったってこと？



そうなると俺よりミツの方が脈アリ？って事？



いやいや、今はミツよりなにより元彼か？




ダメだ。
頭パンク。



とりあえずわかんない。
敵がもう一人増えた。
そういう認識で行こう。じゃないとメンタル持たねー。






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