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２１ 北山side ページ21

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日曜日。




掃除や洗濯？
成瀬は色々忙しいらしいし、
とにかく夕方になるまで待って出かける準備をする。




『今から迎えに行くな〜』




ゆるーくメールを送ってから
返事を待たずに成瀬の家の方向へ車を走らせた。



どこかで待ち合わせ、とかしようものなら
今日は行けなくなりました、なんて簡単に断わられんじゃねーかってのとドライブしながら色々話すんのもいーかなって。



成瀬の住所は社員名簿で確認済み。
ナビに打ち込みながら鼻歌歌っちゃってる俺は結構成瀬に入れ込んでるみたいだ。







･･･ここか。




マンションの下に車を付けて電話をかけて
来た事を伝えると、すぐに降りてきてくれた。




キョロキョロしてる成瀬にクラクションを鳴らして窓から手を上げるとすぐに気が付いて小走りで向かってくる辺り生真面目な成瀬っぽい。





｢･･･お迎え、ありがとうございます。｣




思ってもないセリフを気に入らないけど仕方なく言ってる、そんな表情の成瀬にちょっと笑ってしまうけど、笑いを堪えて助手席に促した。




バタンと扉を閉めると同時に成瀬の香りが車中に広がった。




甘ったるい、ムスク系。嫌いじゃない。
でも、こんなに香水付けてる成瀬って珍しい？
プライベートではそうなのかな？って思いながら話しかける。





｢ちょっと車走らせていい？｣




なんだかご機嫌斜めみたいな成瀬の顔を覗き込んだ。



はい、と一言だけの返事。
やべ。強引に行き過ぎて嫌がられてるパターンか？これ。




どうやって成瀬の機嫌を直そっかなーって考えながらアクセルを踏んだ。







｢掃除も洗濯も終わった？｣



｢はい｣



｢色々忙しかったんだろ？昼飯ちゃんと食ったか？｣


｢･･･いいえ、｣



｢へ？食ってねーの？ドライブの前にどっか店寄る？｣



｢いえ、大丈夫です。｣






･･･何だこの返し。



いつまで続けてもはい、かいいえ、でしか返って来ない気すんだけど。






｢･･･怒ってる？｣



｢はい、･･･っえ？｣



｢成瀬、今日本当はめちゃくちゃ無理して俺の誘い乗ってくれた？｣





あまりにも表情がなくていつもと違う成瀬にちょっと弱気になった。



もし、そうならUターンしてマンションに送ってやんなきゃかな、そう思いながら聞いてみた。



出直しか。
暗い気持ちで静かに息を吐いた時
成瀬がポツポツと話し出した。

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