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１９ 玉森side← ページ19

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無理しないって決めたけど
ほとんど来ない、バーにAを連れ来た。




･･･明らかにミツに対抗してんだけど。
でも雰囲気の良い、静かな場所で気持ち伝えたかったから。






｢･･･なんか玉森とこんな所来るの変な感じだね。｣



｢いつも居酒屋だもんなー。たまにはいいでしょ？｣



｢うん。私、こういう雰囲気のお店好きだよ。｣






よっし！
とりあえず店のチョイスは成功だ。






｢･･･玉森？今日は付き合ってくれてありがとね。太輔と別れてから、ずっと会社終わってもミツと飲みに行ったり、二階堂と玉森と行ったり、昨日も歓迎会あったりさ？何かと一人の時間減らしてずっと考えないようにしてるんだ。｣




｢･･･一人になったらやっぱり考えちゃう？｣




｢嫌でも考えて泣いちゃうから。今、ちょっと現実と向き合える気持ちになれないってのもあるし、違う事で気を逸らしたいから、今日は玉森と映画とか、楽しかった。｣



｢そっか。なら良かった。｣






ならもっと違う事考えさせたい。
いっその事このまま俺の事ずっと考えてればいいのに。





｢あっ、でもここのお店は私、払うよ。マグカップのお礼と休日付き合ってくれたお礼。｣




･･･マグカップのお礼って全然割に合わない金額だぞ？この店は。
本気で俺の事、友達だと思ってるから
そういう事言ってくるんだよね。




でも今日でそんな事もう言わせないから。






｢払わせる訳ないでしょ？女の子に。｣



｢あー、私の事女扱いすんの？変な玉森。そういうのいいからさ？｣



｢よくないって。好きな子に金とか払わせらんないっしょ。｣



｢好きな子･･･？｣



｢そ、好きな子。｣





何言ってんの、玉森、って怪訝そうに見つめて来る
そのしらばっくれてんのかってくらいのキョトン顔、マジで罪。






｢このマグカップ、Aん家に置く？それとも俺ん家？｣



｢･･･どういう意味？｣



｢お揃いで買ったのに離れ離れは寂しいでしょ？｣



｢･･･玉森？｣








｢好きだよ、A。｣






どこまで際どい事言っても
やっぱり直接言わなきゃ長かった同期の壁を超えられないから。




ようやく、ずっと言いたかった言葉を口に出来た。

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