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「・・・ミツだ、」
ミツ、っていう名前を聞くだけで心臓がドクンと音を立てた。
「もしもーし。うん。うん、そう。うるさいなぁ。」
グラスの中の氷をストローで静かにかき回しながら
桜子とミツの会話に、耳をそばだてる。
電話から漏れ聞こえるミツの声が楽しそうで
その声を耳元で独占してる桜子に軽く嫉妬してる自分。
・・・私も、ミツに片思いだ。
最初からミツは桜子と盛り上がってたし
私なんて眼中に無いのはわかってるから。
それにたまにある飲み会に顔を出しても
先輩や同回の女の子達とも仲良くてどうしてあんな風に皆仲良くなれるんだろって羨ましさしかない。
ミツも気を使ってか話しかけてくれる時もあるんだけど上手く返せなくてしどろもどろなのは、私がミツを意識してるからなのかな。
藤ヶ谷くんとは普通に話せるのに。
バスケの男の先輩とだって。
ミツを前にすると途端自分が自分じゃなくなって
きっとその態度がミツを遠ざけてるのかな・・・、
桜子は頑張ってる。
マリエさんに気を使いながらも可愛い自分をアピールして、どうにか藤ヶ谷くんの目に止まらないかって。
藤ヶ谷くんもそんな桜子の気持ちに気付いてか気付かずか、最近は心許してるみたいだし。
私も、頑張れないかなぁー。
せめて普通に話せるようになりたいよ。
電話を切った桜子にニヤって顔を覗きこまれた。
「・・・なに?ミツ、なんだって?」
「あー、暇だから電話してきたんじゃない?バスケ帰りだから藤ヶ谷とどうだったー?って。・・・それよりもさ?」
向かいに座ってた桜子が急に隣りに座り直してきた。
「なに?なに?」
「Aってさ?ミツの事、好き?」
「・・・え、」
「隠さないで教えてよぉ、ね、いつからなの?!」
「な、なんで?」
「気が付かなかったけど、いつもミツから電話掛かって来た時とかちょっと悲しそうな顔してるような気がしてさ?ど?違う??」
そ、そんな悲しそうな顔してたの?私っ。
恥ずかしっ、
でも、違う?って言われると
全然違わなくて、でも自分の気持ちを桜子にすら言うのが恥ずかしくて。
こんなに人を好きになったのは初めてだから。
この気持ちをどう友達に伝えたらいいのか
そんな事すらわからない不器用な私だった。
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Haru(プロフ) - まきこさん» 付き合えたんですーっ!私もドキドキしてるのに三年後には、、、これから太輔とどう絡んで大人になっていくのか、を見て行って下さればと思います♪主人公ちゃんがどんどん恋愛で成長していく姿が書けたらなと。これからどんどん切なくなりますがお付き合い下さいーっ。 (2019年5月30日 10時) (レス) id: 476aea9d9a (このIDを非表示/違反報告)
まきこ(プロフ) - いやーー!!!ミツ好きー!!付き合えたー!!と喜んでいるのに別れるってわかってるなんて、、切ない(ToT)けど、ここからどうなっていくのか楽しみでしょうがないです(*^^*) (2019年5月29日 21時) (レス) id: cfbbd37a93 (このIDを非表示/違反報告)
Haru(プロフ) - みちこさん» ようやくくっつきましたー♪お互いやっと、気持ちが通じました(^^)まだまだ先は長いです。太ちゃんとはいつになることやら^^;根気よくお付き合い下さればと思います(^^) (2019年5月29日 20時) (レス) id: 476aea9d9a (このIDを非表示/違反報告)
みちこ(プロフ) - こんにちは(^_^)お互いが気づいてないという(^_^;)こういうの好きだったりします(^_^)みっくんとハピエンのままではなくこれから太ちゃんも参戦なんですよね(^_^;)気になります(^_^) (2019年5月29日 15時) (レス) id: 95022a0a60 (このIDを非表示/違反報告)
Haru(プロフ) - mayumitsuさん» 北山さんと海、似合いすぎですよね。。そうです、その水着姿をずっと想像しながら書いてる私はすでに中学生男子レベル(笑)熱中症にならないように頑張ります(笑) (2019年5月23日 20時) (レス) id: 476aea9d9a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Haru | 作成日時:2019年4月30日 21時