中紅花の恋ーnakakurenai no koiー

５ 藤ヶ谷side ページ5

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だる･･･、




この、新歓コンパとかいう面倒くさい行事。



俺が勧誘した女の子達は何かと近くにいてチラチラと見てくるし
そんな俺を横目に彼女のマリエはつまらなさそうに不貞腐れてる。





｢ちょっと太輔？聞いてるっ？｣



｢聞いてるよ。和人さんから頼まれたんだから断れないだろ、和人さんも人数揃えなきゃって必死だったんだって。｣



｢和人のやつ〜、太輔の顔を使って女の子集めようっていう魂胆が見え見え！｣



｢顔って。俺それしか取り柄ないみたいに言うなよ、｣



｢わかってるわよ、太輔の魅力なんて！私が全部！｣



急に大声上げるから悪目立ちしてんじゃん。
それに気が付いて小声で俺の耳元に唇を寄せてくるマリエ。




｢それをやすやすと初対面の女の子に見せなくていいって言ってんのっ。｣




ぷっ、かわい。
この飲み会の為に女の子勧誘しただけでこんなに嫉妬してくるなんてびっくりだわ。



二つ先輩にあたるマリエは
高一の時から付き合ってて三年が経とうとしていた。



マリエのいる大学に通いたくて必死で勉強して
ようやく同じサークルにまで入ったってのに
何が不満だよ？



でも、ようやく同じフィールドに立てた。



歳下なのがずっとコンプレックスだったけど
同じ大学生じゃん？いつもお姉さんに見えてたマリエが今は歳下にすら感じる。



まだ怒りの収拾が付かない様子のマリエを肩肘ついて目を細めてしまう。





｢･･･なにそのにやけ顔。｣



｢にやけてた？マリエがあんまり可愛いからかな？｣



｢･･･なにそれ、｣



｢ずっとヤキモチ妬いといて欲しいくらい。｣



今度は逆に俺がマリエの耳元で囁いた。
ふわりと香るマリエの匂い。



あー、こんなダルい所から早く帰ってマリエといちゃつきてーな。




しかし、マリエのサークルって･･･、




よくこんな所で三回になるまで俺以外の男に目移りしなかったもんだよ、ってくらい出会いの宝庫じゃね？ここ。



これは今更ながら絶対に監視が必要だ。



そして、バスケ部の先輩だった和人さんに言われるがまま今ここへいる。



マリエもバスケ部だったから和人さんとここで週二程バスケもしてるらしいし。



これからはずっとマリエを傍で見ていられる。



幹事である和人さんの手伝いに席を立ったマリエの背中を見送ると入れ替わるように北山がやって来た。

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