中紅花の恋ーnakakurenai no koiー

２４ 北山side ページ24

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｢ちょっとミツ？こっちへ。｣




食事も終えて酒盛りが始まってる所、同回の男達とだべってたら桜子に呼ばれた。







｢･･･なに？｣



｢あんた、昼間、公然とAを口説いてたくせにまだなんのアクションも起こしてないわけっ？？｣





･･･やっぱりその話か。



もう言い訳出来ねーよな。あの俺の行動は。






｢うるせーなぁ。あの時気付いたのっ。すぐ告白とか出来るかっ、｣





桜子の水着姿は男達皆でえろ い目で見れて
Aのそれは誰にも見せたくなかった。



･･･って事は、俺は、Aが好きなんだ。
桜子じゃなかったって事だ。



だからってすぐ付き合ってほしい、とか？
Aもそりゃびっくりすんだろ。






｢･･･そもそも、A、俺の事何とも思ってねーべ？｣



｢はぁ？そこをモノにすんのがあんたの腕の見せ所でしょーよっ？チャラいキャラ無駄にするつもりっ？？｣




いや、別にチャラいつもりねーし
そんなキャラ作ってるつもりもねーし。



ぶーたれる俺にため息を付いてまだまだ言いたい事あるみたいだ。





｢そもそもAはね？昼間のあんたの行動見ても、あんたの気持ちにまるで気が付かない鈍感な女なのっ。わかんでしょ？｣



｢あぁ。そうみたいだな、｣



だからそれをいい事に忘れて？なんて言って誤魔化しちゃったし。




｢ストレートに好きだ！って言わないと、あんた一生Aをモノに出来ないんだかんね？｣



｢･･･そうかもな。｣



｢あと二日！ぼやぼやしてたら他の男に持ってかれちゃうよ？？いーのっ？｣






いや、それは激しく困る。





確かに、カップル成立三組？
その中にAが入っても不思議ではない。





｢･･･いけっかな、俺･･･、｣



｢いけっかな？じゃないの。いくのっ。｣





桜子の事もいいなって思ってたはずなのに
その桜子に背中押されて頑張ろって思ってる俺。
何が起こるかわかんねーなーってぼんやり考える俺は
まだAを好きだという実感が湧かなかったけど。




でも、二人でシュノーケリングした時はマジで楽しかった。



水面に反射してキラキラ光ってる楽しそうなAの顔。



･･･いつも俺に向けられる事がなかった笑顔を真近で、しかも二人きりの俺に見せてくれたんだ。





｢桜子、俺、頑張ってみるよ。｣





俺の言葉に満足そうな桜子の顔に
どこか期待してる自分がいた。

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