17 藤ヶ谷side ページ17
三人でデッキに手をかけて海を眺めてる。
「なにやってんの?」
たった今、キスしてた雰囲気を取り繕うように北山とAちゃんに声をかけた。
「いや、暇でさー、ここでAと話してたらマリエさんが来たとこ。」
でしょうね。
マリエが俺の顔を横目で見てクスッと笑って
俺はそのいたずらっぽい目を少しだけ睨んどいた。
「夕日、綺麗でしょ?」
軽くウエーブのかかったマリエの金髪がゆらゆらと海風に揺られてる。
夕日も綺麗だしマリエも綺麗だし、最高、
なんてこの二人の前で言えるはずもなく
そうだね、って北山とマリエの間に割り込んだ。
「海、でっけーなー。」
水平線に浮かぶ夕日を眺めてたら
色んな悩み事がちっぽけに思えてくる。
この旅行を終えてからマリエは本格的に就活を始める。
ようやく同じ環境に身を置けた所なのに
後一年半後にはまたマリエだけ一人、大人になってくんだ。
辿り着いたと思ったらいつも俺の一つ上の階段にいるマリエとの関係は、そのまま俺がマリエを追い続けてる付き合い方とまるで同じで苦笑いするしかない。
やってけっかな、マリエが就職しても。
弱気な自分がいつもいて、でも、高校生と大学生って関係でも乗り越えたんだからって自分を慰める。
・・・・・でもきっと無理なんだろう。
頭じゃわかってても認めたくない。
社会人になって大人の世界でやってくマリエが
いつまでも自分といてくれるなんて自惚れてはない。
だから、今楽しめる事は目一杯楽しむ。
できる限り、マリエを感じてたい。
・・・そう、決めてんだ。
「あっ、見て!イルカっ!!」
勝手に黄昏てるとマリエの興奮した声。
「えっ!?どこ?!」
「あっちあっち!見て見て?!太輔もっ、」
俺の袖を掴んで、指さしてる方向を見る。
「わおー!すげーーー!!!」
「嘘みたい、」
「・・・マジか。」
北山やAちゃんも興奮してる声を上げてる中、なぜか俺は静かに感動していた。
イルカの大群が群れをなして同じ方向に泳いでいってる景色は壮観だ。
こんな、奇跡みたいな光景を
マリエと一緒に見ることが出来た。
俺は、この瞬間を多分一生忘れないと思う。
マリエの好奇心旺盛な子供みたいな顔を横で見ながら
その顔を目に焼き付けた。
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Haru(プロフ) - まきこさん» 付き合えたんですーっ!私もドキドキしてるのに三年後には、、、これから太輔とどう絡んで大人になっていくのか、を見て行って下さればと思います♪主人公ちゃんがどんどん恋愛で成長していく姿が書けたらなと。これからどんどん切なくなりますがお付き合い下さいーっ。 (2019年5月30日 10時) (レス) id: 476aea9d9a (このIDを非表示/違反報告)
まきこ(プロフ) - いやーー!!!ミツ好きー!!付き合えたー!!と喜んでいるのに別れるってわかってるなんて、、切ない(ToT)けど、ここからどうなっていくのか楽しみでしょうがないです(*^^*) (2019年5月29日 21時) (レス) id: cfbbd37a93 (このIDを非表示/違反報告)
Haru(プロフ) - みちこさん» ようやくくっつきましたー♪お互いやっと、気持ちが通じました(^^)まだまだ先は長いです。太ちゃんとはいつになることやら^^;根気よくお付き合い下さればと思います(^^) (2019年5月29日 20時) (レス) id: 476aea9d9a (このIDを非表示/違反報告)
みちこ(プロフ) - こんにちは(^_^)お互いが気づいてないという(^_^;)こういうの好きだったりします(^_^)みっくんとハピエンのままではなくこれから太ちゃんも参戦なんですよね(^_^;)気になります(^_^) (2019年5月29日 15時) (レス) id: 95022a0a60 (このIDを非表示/違反報告)
Haru(プロフ) - mayumitsuさん» 北山さんと海、似合いすぎですよね。。そうです、その水着姿をずっと想像しながら書いてる私はすでに中学生男子レベル(笑)熱中症にならないように頑張ります(笑) (2019年5月23日 20時) (レス) id: 476aea9d9a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Haru | 作成日時:2019年4月30日 21時