83 ページ38
・
「⋯挽回、させて欲しい。今までのオレの行動全部。」
「ばんかい?」
「もう、前までのオレじゃねーから。オレと付き合って欲しい、ちゃんと。」
・・・何を言ってるんだろう?
からかわれてるようにも思えない真剣な宏光の眼差しに言葉を失う。
「⋯信じらんない?オレの言う事なんて。」
「⋯信じられる訳ないよっ。なんで急に?そんなことっ、」
太ちゃんと上手くやってる今、なんでそんな事言うの?
それならなんであの時泣いて縋る私に手を差し伸べてくれなかったの?
「⋯もう、⋯遅いよ⋯」
今さら、太ちゃんと別れて宏光と付き合うなんて出来るわけない。
「うん。オレもそう思ってた。けど、おまえ、ほんとに彼氏の事好きな訳?まだオレに未練タラタラなんじゃねーの?」
「⋯やめて。」
確かにそう思われても仕方ない。
昨日からの私は宏光に、キスされても抵抗もしなかったしドキドキしたのは嘘じゃないし。
でもここで否定しとかないと自分が保てそうにない。
「なぁ?マジで傷付けて悪かったよ。⋯おまえの気持ち、気付いてたのに。でも本気になんの怖かったんだ。」
「⋯どういう意味?」
「女なんかいらねーって思ってたのにどんどんおまえに惹かれてく自分が怖くてさ。」
俯いた宏光の目の先には
口を付けられないままのコーヒーカップ。
塞ぎがちなその顔が真剣で
嘘を付いてるんじゃないってわかる。
だってほんとに申し訳なさそうな顔してんだもん。
「信じてもらえねーかもだけどおまえと会いだしてから他の女とどうこうとかなってないし。」
「嘘つき。」
「は?」
思わず口から出た。
随分前の事だけど私は打ちのめされたんだよ?
その絶望感は昨日の事のように思い出される。
「上原さんとも同時に会ってたくせにっ、」
まるであの時に返った気持ちで宏光を責めてしまう。
今の私は宏光にこんな感情抱いちゃいけないのに。
「⋯おまっ、なんでそれっ⋯、」
⋯ほら。
危ない。信じちゃう所だった。
狼狽えてる宏光を見据えながら
危うくまた宏光の思惑にハマりそうだった自分に喝を入れた。
1304人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Haru(プロフ) - moraさん» えーっ、なんでだろう。。そして通知なくてもちゃんと読んで下さってありがとうございます(笑)にしても困ります( ̄▽ ̄) (2019年2月26日 18時) (レス) id: 476aea9d9a (このIDを非表示/違反報告)
Haru(プロフ) - Runaさん» そう言って頂くと本当に嬉しいです(T_T)ぜひぜひまた遊びにいらしてくださーい(^^) (2019年2月26日 18時) (レス) id: 476aea9d9a (このIDを非表示/違反報告)
mora(プロフ) - Haruさーん…。またこのお話通知来なくなったんですけどー…。なぜー…。こんなに楽しみにしてるのにー。通知来なくても、ちゃんと読んでますけど 笑 (2019年2月25日 23時) (レス) id: daf44fdab0 (このIDを非表示/違反報告)
Runa(プロフ) - Haruさん» お返事ありがとうございます。敬遠してた反動か、とっても好きなお話になりましたので更新が楽しみです。また感想書かせてもらいます! (2019年2月25日 22時) (レス) id: 929557de91 (このIDを非表示/違反報告)
Haru(プロフ) - Runaさん» 敬遠されてたのに読んで下さってありがたいです。苦手なキャラなのに受け入れて下さって嬉しいです(^^)ここからは真面目一徹北山さんになりますので(笑)玉ヶ谷もどう出るかー?ってことで今後もお付き合いお願い致します(^^) (2019年2月25日 21時) (レス) id: 476aea9d9a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:Haru | 作成日時:2019年1月18日 19時