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柿本さん、ほんとにすごい酒豪なんだけど。
あまりにもペースが早くて唖然とする。
「ほらっ、玉森さんもっ。」
もう飲めないよって思いながらお酒のお酌を受ける。
「あーーー、柿本さんっ、オレが飲みたいんで今日はオレに目一杯ついで下さいよぉ。」
そうか?って嬉しそうに宏光にもなみなみと日本酒をコップに注ぐ柿本さんにぞっとする。
⋯これ、毎回こうな訳?
宏光がお酒強いのかとか、全然知らないけど
これ、常識の範囲を超えてる気がする⋯
「あ、玉森さん、飲んでないじゃーんっ、」
「あ、頂きますっ。」
もう無理って思いながら日本酒を一口口に入れたけど全然喉を通らなかった。
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「ではっ、今日もありがとうございましたっ。」
「おー、またね、北山くん、玉森さんっ。」
宏光が拾ったタクシーに柿本さんと西村さんを乗せて最後の見送り。
車が去って行った瞬間、宏光が私の肩になだれ込んで来て宏光の重みで私もよろよろとお店の壁に寄りかかった。
「⋯わり。マジ今日限界。」
「やっぱりですか?ちょっと飲ませすぎですよ、柿本さん。」
本人はケロッとしてるし。
西村さんも何にも言ってくれないし。
「やんばい。歩けねー。」
⋯どうしよう?
私も相当フラフラしててこのまま宏光を支えてなんて到底歩けない。
「宏光、とにかくここお店の前だから、あそこの公園まで頑張れる??」
宏光の腕を私の肩に回して体重を支えようと足に力を入れてみる。
うーん、やっぱ動けないっ。
はぁはぁと息を切らしてたら宏光の数センチ先にある顔が私を見てる。
「⋯宏光って。やっぱおまえオレの事そう呼んでんだ。」
トロンとした赤い目で熱い眼差しを受ける。
⋯宏光こそ、なんで私の事そんな目で見てるわけ?
宏光に触れたら思わず前みたいな感覚で
前みたいな話し方になってしまった私も相当酔っ払ってる。
「⋯間違えました。北山さん。」
もう遅いわ、ってくすくす笑ってる。
よーし、歩くぞぉって千鳥足って言葉がピッタリ当てはまる歩き方で私たち二人は肩を抱き合って公園までたどり着いた。
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Haru(プロフ) - moraさん» えーっ、なんでだろう。。そして通知なくてもちゃんと読んで下さってありがとうございます(笑)にしても困ります( ̄▽ ̄) (2019年2月26日 18時) (レス) id: 476aea9d9a (このIDを非表示/違反報告)
Haru(プロフ) - Runaさん» そう言って頂くと本当に嬉しいです(T_T)ぜひぜひまた遊びにいらしてくださーい(^^) (2019年2月26日 18時) (レス) id: 476aea9d9a (このIDを非表示/違反報告)
mora(プロフ) - Haruさーん…。またこのお話通知来なくなったんですけどー…。なぜー…。こんなに楽しみにしてるのにー。通知来なくても、ちゃんと読んでますけど 笑 (2019年2月25日 23時) (レス) id: daf44fdab0 (このIDを非表示/違反報告)
Runa(プロフ) - Haruさん» お返事ありがとうございます。敬遠してた反動か、とっても好きなお話になりましたので更新が楽しみです。また感想書かせてもらいます! (2019年2月25日 22時) (レス) id: 929557de91 (このIDを非表示/違反報告)
Haru(プロフ) - Runaさん» 敬遠されてたのに読んで下さってありがたいです。苦手なキャラなのに受け入れて下さって嬉しいです(^^)ここからは真面目一徹北山さんになりますので(笑)玉ヶ谷もどう出るかー?ってことで今後もお付き合いお願い致します(^^) (2019年2月25日 21時) (レス) id: 476aea9d9a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Haru | 作成日時:2019年1月18日 19時