48 ページ3
「おい。」
背後から裕太の低い声がしてびっくりする。
「お、弟、家にいたんじゃないの?」
私に腕を回したまんま、平然と普通に返してる太ちゃんの胸を押すとえー?って顔をしかめられた。
いや、さすがに弟にこんな所見られて恥ずかしいよ。
「⋯外でイチャつくくらいなら上がれば?」
高校生かよっ?って突っ込みながらほら!って玄関の扉を開けて太ちゃんを誘導してる。
「裕太、超大人の対応でお姉ちゃんびっくりだよ?」
なんだろ、この現場を見ても目くじら立てない裕太がかっこよくすら見えるっ。
「⋯だって、ガヤさんは姉貴の大事な人だろ?無下には出来ないし、」
ボソボソと自分に言い聞かすように呟いた裕太に太ちゃんと顔を見合わせて家に入った。
「玉もデートー?」
うちの家にいる太ちゃんがすっかり板についてきてる。
こんな風に私の世界にすんなりと溶け込んでる太ちゃんは私にとって大事な家族みたいだ。
「裕太、そういえば最近よく出かけてるよね?」
「彼女いるならお兄さんに報告しろよ?」
「誰が兄ちゃんだよっ!」
いちいち裕太をからかってるガヤさんに丁寧に突っ込んでて、なんだかんだ仲良い二人よねー、って微笑ましい。
「⋯彼女なんていねーわ。」
「そうなの?最近よく携帯弄ってんの見かけるからてっきり彼女かと思ったわ。」
「え、そうなの?裕太。」
私の問いかけにも、うっせ、ってスルーされた。
珍し。
彼女出来たら出来たでさらっと報告してくるのに。
なんだかこの話題に振れて欲しくなさそうな裕太の言動があんまり見た事なくて。
「片想い〜?」
またからかうように裕太の顔を覗きこむ太ちゃんに裕太はもう一度、さっきより大きい声でちげーわっ!って言い放って拗ねたように自分の部屋に行ってしまった。
「片想い?裕太が?」
「女関係苦労した事ないから自分で戸惑ってんじゃない?」
可笑しそうに笑ってる太ちゃん。
え?ほんとに?
もしそうだとしたら裕太を惑わせる女の子ってどんな人なんだろ?
とぉーっても興味が湧く私も、結構弟大好きのかもしれない。
1304人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Haru(プロフ) - moraさん» えーっ、なんでだろう。。そして通知なくてもちゃんと読んで下さってありがとうございます(笑)にしても困ります( ̄▽ ̄) (2019年2月26日 18時) (レス) id: 476aea9d9a (このIDを非表示/違反報告)
Haru(プロフ) - Runaさん» そう言って頂くと本当に嬉しいです(T_T)ぜひぜひまた遊びにいらしてくださーい(^^) (2019年2月26日 18時) (レス) id: 476aea9d9a (このIDを非表示/違反報告)
mora(プロフ) - Haruさーん…。またこのお話通知来なくなったんですけどー…。なぜー…。こんなに楽しみにしてるのにー。通知来なくても、ちゃんと読んでますけど 笑 (2019年2月25日 23時) (レス) id: daf44fdab0 (このIDを非表示/違反報告)
Runa(プロフ) - Haruさん» お返事ありがとうございます。敬遠してた反動か、とっても好きなお話になりましたので更新が楽しみです。また感想書かせてもらいます! (2019年2月25日 22時) (レス) id: 929557de91 (このIDを非表示/違反報告)
Haru(プロフ) - Runaさん» 敬遠されてたのに読んで下さってありがたいです。苦手なキャラなのに受け入れて下さって嬉しいです(^^)ここからは真面目一徹北山さんになりますので(笑)玉ヶ谷もどう出るかー?ってことで今後もお付き合いお願い致します(^^) (2019年2月25日 21時) (レス) id: 476aea9d9a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:Haru | 作成日時:2019年1月18日 19時