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だから研修最後の日
本社から離れたC支社に配属が決まった時心底落胆した。
伊藤は本社から程近いB支社。
せめて俺が本社配属なら仕事終わりに会えたりするのに。
だからいよいよ離れ離れになる前にちゃんと告白しようって決めた。一抜けとかないと、他の奴らに持って行かれかねない。
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「へ?」
半笑いかよ。
精一杯カッコつけて本気で好きだと言った返しがこれ。
「藤ヶ谷?そういう冗談は他の女の子にはしない方がいいよー?皆目ハートになっちゃうから。」
「冗談じゃねーし、他の子にこんな事冗談でも言わないから。」
皆は目がハートになるって?
好きな子に届かなきゃ意味無いっつの。
想定内の返しに怯むことなく
告白したままの真顔なテンションで返す。
ようやく俺が本気だと伝わったからか急にあたふたしだした。
「な、なんで??わたしっ?私なんかどこがいいのっ?」
「全部。私なんか、って言って自分の事わかってない所も好きかな。」
「好きっ?!」
「好きだよ。」
途端、戸惑いを顔いっぱいに表して
俺は速攻断られるんだろうか。
そんなのまっぴらごめんだから返事は今すぐは要らない、と先手を打った。
とにかくプライベートの時間過ごさなきゃダメだ。
幸い、お互いの家は遠くはなかったし
休みの日は誘うと断らないし
会う度に近付けてるなって。
あともう一押し
この雰囲気を甘い物に変えたい。
そう思うのに
"友達以上恋人未満"、の横にいる伊藤とどう距離を詰めていいか、と思わずため息が零れた。
「あ、ため息ー?藤ヶ谷さ、そろそろ私に飽きてきてない?」
は?そう来る?
俺の憂いのため息までそう受け取っちゃう伊藤。
「飽きるほど、まだ伊藤のことなんも知らないよ?俺。もっと見せて欲しいけど。」
「もう何でも知ってんじゃん。藤ヶ谷はすぐ私の考えてることとか察知してくれるしぜーんぶ見られてる気するんだけど。」
ふふって笑いながらモスコミュールを飲み干した伊藤。
確かにな。
なーんでも考えてる事わかるよ。
だからこそ俺はどう攻めようか途方に暮れるんだけど。
だって会えば会うほど伊藤は俺の事友達としてしか見てないってわかるから。
だからそろそろ本気で攻めないと。
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Haru(プロフ) - moraさん» 私もなんだか太ちゃんと結婚する気になってたんですが。。(おい) (2020年4月24日 21時) (レス) id: a682c15f64 (このIDを非表示/違反報告)
mora(プロフ) - うわぁー!すっごく素敵!!!なんか、光景が思い浮かぶー! (2020年4月23日 23時) (レス) id: daf44fdab0 (このIDを非表示/違反報告)
Haru(プロフ) - さっこさん» ちょっとページが足りずイチャイチャ少なめですがなんとかいちゃつかせて終わりになりました(笑)さっこさんも最後までコメントありがとうございました!最後明るく終わらせられてほっとしています(笑)また他作品もよろしくお願いいたします(^^) (2020年4月23日 16時) (レス) id: a682c15f64 (このIDを非表示/違反報告)
さっこ(プロフ) - 書けてます!バッチリです!\(^o^)/もうちょっとしんどいが続くかと勝手に思ってたので、すんなり日奈子ちゃん出てきてホッとしました(笑)よく考えたらしんどいが続いたら、君のその手に本編の内容になっちゃいますもんね(笑) (2020年4月23日 1時) (レス) id: 6eb9e2cf38 (このIDを非表示/違反報告)
Haru(プロフ) - さっこさん» ラブラブかけてますー?今頑張ってラブラブしてみよう、としてるとこです(笑)あと少しで終わりますのでラブラブ、を、堪能してくださればと思います(笑) (2020年4月23日 0時) (レス) id: a682c15f64 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Haru | 作成日時:2018年12月14日 21時