君のその手に ーspin offー

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ショック過ぎて言葉出なくて。



でも藤ヶ谷さんは、予定通り私の服を選んでくれるつもりみたいでショッピングモールに入って行く。





「あのっ！藤ヶ谷さんっ？」




「なに？」



「私、今からどんなメンタルでデートの服選んで貰ったらいいんですか？っていうかデート、して貰えるんですか？」



はっきり聞いとかないと前に進めない。




私の言葉に少し考え込んだ藤ヶ谷さんは
座ろっかってそこにあった長椅子に誘導してきた。







「ごめん。酷い事言ったな。」



「いえ、藤ヶ谷さんの気持ちがよくわかったので全然大丈夫です。」



結局、私みたいな雰囲気の子は
服を変えようがなにしようが好きじゃないって事、なんだよね？



でもっ、何か他に挽回出来ないかとこの後に及んでも考えてしまってる私は往生際が悪い。



最近ずっと藤ヶ谷さんが優しかったから。
それがすごく嬉しかったんだ。







「⋯オレの気持ち、わかんだ？教えてよ？オレ自身全然わかんねーの。」



「⋯え？」



「相沢の事いいなって思ってんのに、相沢がそんな男の人誘うような服着てたらムカつくし、他の男の視線集めてたりしてるの見たらイラついて堪んないの。⋯」









それって⋯？




「藤ヶ谷さん、私の事、好きですか？」



私の言葉に降参って諦めたような顔でやっぱそうだよな？って。




「⋯ほんと、に？」



「嘘じゃなねーわ。だって今すぐにでもその露出高い服着替えさせたいんだから。」



⋯好みじゃない、とかじゃなくて
人の目に晒したく無かったって事だったの？



え、私、特別まだ何もしてないんだけど？
なのに藤ヶ谷さんはいつの間にか私の事好きになってくれたっていうの？



信じられなくて、嬉しくて。



「藤ヶ谷さん、私の彼氏になってくれるんですか？」



ちゃんとした言葉、聞きたい。



「⋯なりたいな。相沢の彼氏。⋯なっていい？」



「はいっ！！」



嬉しくて泣きそう。



そんな私にまた頭ポンってしてくれるの。



今まで男の人からそんな風にされた事なかったから。
ずっと強がってたから私が隙を見せなかったんだよね？



それなのにいとも簡単に藤ヶ谷さんに振り回されて調子狂わされて。



やっぱり私よりも一枚も二枚もうわてな藤ヶ谷さんが、好きなの。

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