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「もういっぱい傷付いたんじゃない?そろそろ良くない?」
「⋯諦めが付くほど、まだ全然傷付いてないです。」
最初から期待しなければ宏光との関係はずっと続けられる気がして。
そろそろ、なんて言葉はちっとも心に入ってこない。
「どれだけ自分をボロボロにするつもり?Aちゃんらしくなくない?」
そうだね。
なんだって割り切って自分が傷つかないように生きてきた。
それなのに宏光との関係は
変な所で割り切っちゃうから手に負えないの。
自分でもわかるけど⋯
「⋯でも、好きだから、止められないっ⋯」
「Aちゃん⋯」
「だから、⋯ごめんなさい。ガヤさんとはお付き合い出来ません。」
ガヤさんの顔を見て言う事は出来なかった。
こんな素敵な人を振ってまで
私は愛されもしない宏光と一緒にいたいと思ってるんだから。
ガヤさんが、ふぅっと息を吐いてからそっか、と小さく呟いた。
裕太がその時家にいるのかいないのか、
そんな事考える余裕もなく、ただ、自分の握りしめた手を見つめるだけだった。
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「姉貴!!」
翌日、会社帰りで裕太の待ち伏せ。
定期的にこうして私の会社の前で待ってる裕太にももう慣れてきて呆れながらもじゃあ、帰ろっかって。
私の言葉に嬉しそうに、今日の晩メシなんにするー?なんて話しながら歩き出したら⋯
目の前に外回りから帰ってきた宏光とバッタリ⋯
ほんとにお互い不意打ちで、宏光と向き合う形で二人とも固まってしまってる。
「⋯お疲れ様です。」
裕太に宏光との関係を見抜かれる訳に行かない。
出来てるかどうかはわからなかったけど
自分なりに精一杯平静を装う。
宏光の鋭い視線。
ヤキモチ妬いてる場合じゃないんだよ?
「あの、⋯弟、です。」
私の言葉にへぇーって。
「噂の弟くん?」
「⋯初めまして。姉がお世話になってます。」
あまり聞かない裕太の低い声に、裕太はもう勘づいてるかも、とソワソワする。
「あの、じゃあ、お先に失礼しますっ。」
ただならぬ雰囲気にいてもたっても居られなくなって裕太の腕を引っ張ろうとすると払いのけられた。
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mora(プロフ) - わたし、毎日でもいけます←ヲイ 北山さんじゃないけと、求められたら答えられる自信あり。←聞いてない (2019年1月15日 15時) (レス) id: daf44fdab0 (このIDを非表示/違反報告)
Haru(プロフ) - moraさん» そーですよね。友達とか意外と最高かも。。ずっと一緒にいられるから(T_T)みっくんと結婚なんてしたらほんと不器用で可愛らしいしかなくて子供と一緒にいる感覚になりそう(笑)それで3日に1度オスになってくれたら言う事なし!←結構贅沢な事言ってる(笑) (2019年1月15日 13時) (レス) id: 476aea9d9a (このIDを非表示/違反報告)
mora(プロフ) - 結局、北山担はどんな北山さんでもまるっと好きですからお近づきになれるなら立場どれでもいーですよねー♪笑確かに結婚するならたいぴかも。あーでもなぁ、不器用な北山さんが見せてくる頑張ってる感もやっぱり捨てがたいー。←真剣 (2019年1月14日 22時) (レス) id: daf44fdab0 (このIDを非表示/違反報告)
Haru(プロフ) - moraさん» タイプ全然違うから迷ってしまいません?結婚するならたいぴ、遊ばれるならみっくん←おい。いや、みっくんなら恋人でも結婚でもはたまたお友達でもなんでもいいんですけどね(T_T) (2019年1月14日 22時) (レス) id: 476aea9d9a (このIDを非表示/違反報告)
mora(プロフ) - たいぴか…。ちょっといーかも 笑 でも結局北山さんがいい!って絶対なりますよねぇ。タイプ全然違いますもんねぇ。 (2019年1月13日 23時) (レス) id: daf44fdab0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Haru | 作成日時:2018年10月17日 14時