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自分のフロアにたどり着いて宏光の席を見るとパソコンと向き合ってる。
周りを見渡してから宏光の元へ。
「北山さん、お疲れ様です。」
「おー。弟と帰ったんじゃねーの?」
「ちょっとお話ししたくて。お時間頂けませんか?」
誰も私達の会話なんて聞いてないだろうけど
とにかく課内の先輩と後輩に徹する。
私の言葉に一旦手を止めて見上げる私を見る宏光の目。
私の思い違いであって欲しい⋯。
「ちょっと休憩すっか。」
そう言いながら立ち上がってフロアを後にする宏光の後をついて行った。
入って行った場所は打ち合わせに皆が使ってる部屋。
「知ってる?ここも穴場なの。」
内側からガチャっと鍵を回していたずらっぽく言ってる。
「⋯そう。」
ここで色んな女性社員と会ったりしてるんだろう。
でも今の私にはそんな事どうだって良かった。
「話しって?」
窓を開けてタバコに火を着けてから深く息を吐く宏光。
「さっき、弟が失礼な事言ってごめんなさい。」
「おー、マジでシスコンなんだな。めっちゃ愛されてんじゃん、A。」
「⋯⋯これからも二人で会う事ないって弟にバレないように言ってくれたん、だよね?」
ザワつく心を抑え込むように手のひらをギュッと握りしめる。
私を見つめながらタバコを燻らせて
しばらくの沈黙⋯⋯⋯
・
「そろそろ解放してやるよ。」
抑揚のない声。
そしてやっぱり表情が読み取れない顔で聞きたくなかった言葉が彼の口から発せられる。
⋯どうして?
そんな簡単に決めちゃうんだ。
それくらい、私の事なんて宏光にとってはどうでもいい存在だってわかってるけど⋯
すぐにはこの現実が受け止められそうにない。
「っ、解放して欲しいなんて頼んでないっ。」
声が震える。
こんな面倒くさい女、嫌に決まってるのに。
「もうアウトだろ。弟の監視?ありゃもう黙っちゃないぞ?」
「⋯弟が面倒だからもう会ってくれないの?」
「それもあるし⋯」
狼狽えてる私を他所にどこまでも冷静に
宏光は私の顔を一瞥した。
「おまえは、オレに縛られない方がいいと思うから。」
⋯なによそれ。
じゃな、楽しかったって言い残して
何も納得出来ない私を置き去りにして出て行こうとする宏光の腕を掴んだ。
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mora(プロフ) - わたし、毎日でもいけます←ヲイ 北山さんじゃないけと、求められたら答えられる自信あり。←聞いてない (2019年1月15日 15時) (レス) id: daf44fdab0 (このIDを非表示/違反報告)
Haru(プロフ) - moraさん» そーですよね。友達とか意外と最高かも。。ずっと一緒にいられるから(T_T)みっくんと結婚なんてしたらほんと不器用で可愛らしいしかなくて子供と一緒にいる感覚になりそう(笑)それで3日に1度オスになってくれたら言う事なし!←結構贅沢な事言ってる(笑) (2019年1月15日 13時) (レス) id: 476aea9d9a (このIDを非表示/違反報告)
mora(プロフ) - 結局、北山担はどんな北山さんでもまるっと好きですからお近づきになれるなら立場どれでもいーですよねー♪笑確かに結婚するならたいぴかも。あーでもなぁ、不器用な北山さんが見せてくる頑張ってる感もやっぱり捨てがたいー。←真剣 (2019年1月14日 22時) (レス) id: daf44fdab0 (このIDを非表示/違反報告)
Haru(プロフ) - moraさん» タイプ全然違うから迷ってしまいません?結婚するならたいぴ、遊ばれるならみっくん←おい。いや、みっくんなら恋人でも結婚でもはたまたお友達でもなんでもいいんですけどね(T_T) (2019年1月14日 22時) (レス) id: 476aea9d9a (このIDを非表示/違反報告)
mora(プロフ) - たいぴか…。ちょっといーかも 笑 でも結局北山さんがいい!って絶対なりますよねぇ。タイプ全然違いますもんねぇ。 (2019年1月13日 23時) (レス) id: daf44fdab0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Haru | 作成日時:2018年10月17日 14時