141 二階堂side ページ46
冷蔵庫にある食材を全て使って、Aさんがミツを想って作った料理をずっしりと持ってミツの家へ向かう。
ドアを開けてくれたミツの顔は確かにやつれてて、ほっとけなくなったAさんの気持ちはわからなくはないけど⋯
ダメじゃん。ミツに同情してる場合かっ。
オレはこれから負け戦に望む所なのに。
「今度はおまえか。」
声出てねーじゃん。
「ちゃんと生きてんのか生存確認しに来た。」
「生きてるよ。おまえら揃っておせっかいだな。」
・・・Aさんの行為はおせっかいなんかじゃないの。
ミツが好きだからでしょ。
内心ため息を付きながら、部屋に促されて入る。
「これ。Aさんから。」
ドサっとテーブルに置くとマジで?って紙袋を覗いて
こんな食えるわけねーじゃん、なんて呟いてるから、これとこれは冷凍するやつ、ってAさんに指示された通り説明する。
わりーなって言いつつもふらついてるから見てらんなくて持ってきた容器を冷蔵庫にしまってやった。
早く横になれって寝室に連れてくと
倒れるように寝転がるミツ。
こんなミツの姿を見て、Aさんが心配するのはよくわかったけど、それでもモヤモヤする訳で⋯
「言っとくけど明日は会社休めよ?」
「わかってるよ。」
「これ以上、Aさんに心配かけさせんな。」
「⋯わかってるよ。」
「好きなのか?Aさんの事。」
「・・・好きじゃねーよ」
・・・・・・ミツも嘘が下手だ。
「⋯オレ、譲る気ねーかんな?」
「当たり前だろ?」
途端激しい咳をしだしたミツに大丈夫か?って傍によるけど、出来ることなんて何も無い。
「オレ、見ての通り生きてるから。おまえもう帰れ。」
はぁーっと、苦しそうに息をついたミツ。
・・・こんな弱ってる時になんも言えねーじゃん。
でも一言だけ。
「Aさんに、気持ち伝えた?」
ほんとの事知りたい。
しばらくの沈黙の後、
「わり。気が弱っててつい言っちゃったわ。かと言って別になんもねーから。おまえの彼女だろ?」
「⋯そうだよ、オレの彼女を気安く口説いてんじゃねぇよ⋯」
もう二人は想い合ってんじゃねーか⋯
その事実が突き刺さってミツと同じくらい弱々しい声しか出なかった。
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Haru(プロフ) - ぴのさん» わざわざこちらにも!ありがとうございます!ほんと、ぴのさんのコメがずっと引っかかっててお陰様で物語のエンドが見えてきました(^^)ガヤさんの気持ちなんて考えもしてなかったので(笑)こちらこそ、ありがとうございます! (2018年11月20日 10時) (レス) id: 476aea9d9a (このIDを非表示/違反報告)
ぴの(プロフ) - ありがとうございますm(__)m 私の妄想で…ガヤさん、嫉妬させていただき…なんだか、私も作品に参加できた気持ちで、嬉しいです。毎日 更新が楽しみです。 (2018年11月19日 19時) (レス) id: 084bdea948 (このIDを非表示/違反報告)
Haru(プロフ) - ぴのさん» ガヤさん、来ましたよぉー!(笑)ガヤさん、今後四角関係参入できるか!?まだわからないですがそちらもハラハラしながら続き見ていただければと思います♪ぴのさんを思い浮かべながらガヤさん嫉妬させてみました(笑) (2018年11月16日 17時) (レス) id: 476aea9d9a (このIDを非表示/違反報告)
ぴの(プロフ) - きたきた〜ガヤさんの、ほどよい嫉妬(>_<) タカシの存在の大きさも、ハラハラです!でも…やっぱり北山君なんですよね。弱気な北山くんに、どう向き合うのか楽しみです。 (2018年11月15日 16時) (レス) id: 084bdea948 (このIDを非表示/違反報告)
Haru(プロフ) - kanonさん» 断腸の思いですよ、タカシぃ(TT)タカシが報われるようにしたいんですがまだノープランです(いまだに笑)続きすみません^^;今アップしましたのでまた読んで下さいね♪いつもお忙しい中コメントありがとうございます(^^) (2018年11月15日 14時) (レス) id: 476aea9d9a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Haru | 作成日時:2018年10月1日 13時