127 北山side ページ32
不意にイトの携帯が震えだしてあ、タカシだって。
二階堂の事を名前で呼ぶイトにまだ慣れないけど、うまくやってんだなって微笑ましくなる。
なんだかんだで二階堂はやる男だ。
ほんとにイトを物にするとはな。
「今終わったから急いでこっち向かうって。」
「今更じゃん。おっそ。間が悪い奴だねーっ。」
さすが二階堂だわ、とか言ってディするオレを薄目で睨みながら仕方ないでしょ?って静かに怒られる。
でも途端優しい顔になって
「北山?たまにはこうしてまた飲みに行こ?藤ヶ谷やタカシも一緒に。」
「⋯あぁ。いいけど。あいつらはオレなんて顔も見たくないんじゃね?」
「そんな訳ないでしょ?何も言わないけど二人とも心配してるよ?⋯それに、やっぱり皆で騒ぐと楽しいじゃん、ね?」
再会したばかりのイトを思い出す。
とにかく元気で明るくて。
イトがいるだけで周りが華やぐんだ。
オレはイトの勢いに飲まれてわかったよ、と返事をするしかなかった。
崎本部長と会ってどうなる事かと思ったけど
目の前でイトが昔の恋を昇華させた事がオレにとっては少なからず希望になったっていうか。
こんなに元気になんじゃん。
オレだって、いずれかは忘れてくんだ。
それが悲しいと頭の片隅で思ってしまうけど⋯
そうやってゆっくりと麗華さんを思い出にして行こう。
まだはしゃいでるイトに適当に相槌打ちながら穏やかな気持ちになれた。
「だあーー!Aさんっ!!」
汗だくの二階堂がいきなり扉を開けるからびっくりする。
「Aさーんっ!」
タカシって言い終わる前にイトに抱きついてるわ。こいつ完璧オレの事見えてねーな。
「⋯ごめんね?ほんっとごめんっ!大丈夫だった?辛くなかった?」
イトの頭やほっぺたをぺたぺたと触りながら矢継ぎ早に聞く二階堂に大丈夫だよ、ありがとって優しく応えるイト。
⋯なんかいいな。
お互い想い合ってるって感じ。
でも⋯
あれ?
お互いを気遣う二人を前にしてなんだかモヤモヤする。
おもしろくねー、って。
・・・なんでこんな気持ちになんだ?
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Haru(プロフ) - ぴのさん» わざわざこちらにも!ありがとうございます!ほんと、ぴのさんのコメがずっと引っかかっててお陰様で物語のエンドが見えてきました(^^)ガヤさんの気持ちなんて考えもしてなかったので(笑)こちらこそ、ありがとうございます! (2018年11月20日 10時) (レス) id: 476aea9d9a (このIDを非表示/違反報告)
ぴの(プロフ) - ありがとうございますm(__)m 私の妄想で…ガヤさん、嫉妬させていただき…なんだか、私も作品に参加できた気持ちで、嬉しいです。毎日 更新が楽しみです。 (2018年11月19日 19時) (レス) id: 084bdea948 (このIDを非表示/違反報告)
Haru(プロフ) - ぴのさん» ガヤさん、来ましたよぉー!(笑)ガヤさん、今後四角関係参入できるか!?まだわからないですがそちらもハラハラしながら続き見ていただければと思います♪ぴのさんを思い浮かべながらガヤさん嫉妬させてみました(笑) (2018年11月16日 17時) (レス) id: 476aea9d9a (このIDを非表示/違反報告)
ぴの(プロフ) - きたきた〜ガヤさんの、ほどよい嫉妬(>_<) タカシの存在の大きさも、ハラハラです!でも…やっぱり北山君なんですよね。弱気な北山くんに、どう向き合うのか楽しみです。 (2018年11月15日 16時) (レス) id: 084bdea948 (このIDを非表示/違反報告)
Haru(プロフ) - kanonさん» 断腸の思いですよ、タカシぃ(TT)タカシが報われるようにしたいんですがまだノープランです(いまだに笑)続きすみません^^;今アップしましたのでまた読んで下さいね♪いつもお忙しい中コメントありがとうございます(^^) (2018年11月15日 14時) (レス) id: 476aea9d9a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Haru | 作成日時:2018年10月1日 13時