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『若かったAの青春をオレなんかが奪ってほんとに悪かったって思ってるよ。だから、絶対にいい男見つけて幸せになれよ?』
そう言って部屋を出て行った崎本さん。
会えて、良かった。
以前、恋焦がれてた崎本さんのまんま。
時が止まったみたいだった。
そして⋯
今付き合ってる人でいいのか?って念を押す崎本さんが言いたい事はすぐにわかった。
私の言葉や表情一つでいつも私の心の機微を読み取ってくれてた崎本さんにはなんでもわかってしまうんだ。こんなに時が経った今でも。
それだけ私の事、見てくれてた。
そして今でもこうして気にかけてくれる崎本さんが嬉しかった。
⋯もう大丈夫だ。
崎本さんの事で苦しかった想いも
今の崎本さんと話してたらなんであの時の言葉を全部鵜呑みにしてしまったんだろ?って思わずにはいられない。
お互い引き離される事にいっぱいいっぱいで相手が見えてなかったのかもしれないな。
本気じゃなかった、なんて。
それまで付き合ってた月日を思えばそんなはずないってわかったんじゃないの?って。
⋯結局何一つ見えてなかった。
崎本さんも。自分自身の気持ちすら。
・・・そしてやっぱり私は北山が好きだ。
崎本さんはきっとわかったんだろう。
そういう人だ。
でも、タカシも私にはなくてはならない人で⋯。
こんなに私を想ってくれてるタカシを手放す事なんて出来るわけない。
北山への気持ちを封印してタカシといたけど⋯
結局会ってしまえば北山が気になって仕方がない。
私だって伊達に北山を想って来た訳じゃない。
顔を見れば今の北山がどんな状態かわかるつもり。
⋯私なんかに北山が救えるなんておこがましい事は思わない。でも、せめて同期として。気持ちがわかる同士として、北山の支えになりたいって。
___関係ねーだろ
___うるせーよ、
いいじゃん。関係なくったって。
北山に少しでも笑って欲しい、うるさいなって言いながらでも笑ってくれたらいいじゃん。
・・・北山を助けたい。
そう心に決めた時、北山がイトー、って遠慮がちに個室の扉を開けて覗いてきたから、一緒に飲んでよ?って声を掛けた。
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Haru(プロフ) - ぴのさん» わざわざこちらにも!ありがとうございます!ほんと、ぴのさんのコメがずっと引っかかっててお陰様で物語のエンドが見えてきました(^^)ガヤさんの気持ちなんて考えもしてなかったので(笑)こちらこそ、ありがとうございます! (2018年11月20日 10時) (レス) id: 476aea9d9a (このIDを非表示/違反報告)
ぴの(プロフ) - ありがとうございますm(__)m 私の妄想で…ガヤさん、嫉妬させていただき…なんだか、私も作品に参加できた気持ちで、嬉しいです。毎日 更新が楽しみです。 (2018年11月19日 19時) (レス) id: 084bdea948 (このIDを非表示/違反報告)
Haru(プロフ) - ぴのさん» ガヤさん、来ましたよぉー!(笑)ガヤさん、今後四角関係参入できるか!?まだわからないですがそちらもハラハラしながら続き見ていただければと思います♪ぴのさんを思い浮かべながらガヤさん嫉妬させてみました(笑) (2018年11月16日 17時) (レス) id: 476aea9d9a (このIDを非表示/違反報告)
ぴの(プロフ) - きたきた〜ガヤさんの、ほどよい嫉妬(>_<) タカシの存在の大きさも、ハラハラです!でも…やっぱり北山君なんですよね。弱気な北山くんに、どう向き合うのか楽しみです。 (2018年11月15日 16時) (レス) id: 084bdea948 (このIDを非表示/違反報告)
Haru(プロフ) - kanonさん» 断腸の思いですよ、タカシぃ(TT)タカシが報われるようにしたいんですがまだノープランです(いまだに笑)続きすみません^^;今アップしましたのでまた読んで下さいね♪いつもお忙しい中コメントありがとうございます(^^) (2018年11月15日 14時) (レス) id: 476aea9d9a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Haru | 作成日時:2018年10月1日 13時