君のその手に ３

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＿＿＿＿ガヤさんじゃなくてオレの事頼って？








その言葉とともに触れられた唇が温かくて胸がぎゅーってなる。





⋯タカシに全部見せていいの？
彼氏なのに昔の想いで辛くなってる所なんてさらけ出して良いわけないのに⋯




「ねぇ？オレはAさんの事めっちゃ好きじゃん。知ってんでしょ？」



そう言ってまた唇を合わせてくる。




タカシの大きな手のひらでほっぺたを包み込まれてると
全てを預けてるような気分になって
反対の手で私の腰に腕を回してるタカシの腕を掴む手に力が入った。




「⋯っ、Aさん、オレの事ちゃんと男として見てる？」




「⋯当たり前じゃんっ、、」




タカシは私の中ではもう随分前から魅力的な一人の男性だったよ。




いつも気付いたら近くにいて
私を和ませてくれて笑わせてくれた。




ちょっと照れたような顔も
嫉妬して不貞腐れた顔も
満面の嬉しそうな顔も。




ただの後輩なんかに見えなくなったのはいつからだったんだろう？





それくらい自然にタカシは私の心の中に入りこんでて
傍にいてくれる事が当たり前になってた。







「⋯タカシ、好きだよ。」




ちゃんと伝わってなかったのかな？
それなら何回でも言うよ。タカシの事が大切だから。





「⋯オレの方が好きだよ。」




そのまま抱き上げられてベットへ下ろされる。





「オレの事だけ見て？オレはAさんの事、傷付けたりしないから、絶対に」




「⋯うん。わかってるよ。」




タカシなら信じられる。




崎本さんと別れて全ての事に疑心暗鬼になった。



太輔以外の、近付いて来る男の人も全て体が拒否反応を起こした。






またこんな気持ちになれたんだもん。
心で、体で愛して欲しいって思える人に。




私を組み敷くタカシに手を伸ばして抱きしめた。




「大好きだよ？」



目をギュッで閉じたら私の頭の中はタカシでいっぱいになるんだから。
このタカシの匂いと体温と広い背中に、どれだけ助けられて来たんだろう。





しばらく見つめ合った後、
静かに深いキスが降ってきて
言葉なんて何一つない。



お互いの服を脱がせ合ってから裸で抱きしめ合った。




初めてタカシの肌を直に感じて
底知れない安心感が私を襲う。




「Aさん、好きだ。」




幾度となく聞いていたその言葉も
今まで聞いた事のないタカシの憂いを帯びた声で囁かれて自然と涙が零れ落ちた。






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