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週末は当たり前のようにタカシの家に来るようになった。
北山の事が気になったけど
暗黙の了解のように誰も北山の話しはしない。
そんな毎日を過ごしてると
私自身も北山への気持ちが薄れてきて
代わりにタカシが私には無くてはならない存在になった。
北山がいなくなったうちの課に
皆がなんとなく慣れてきて
後任の藤ヶ谷がうちの課の頼れるアイドル的存在に様変わりした頃、突然タカシから話があるって。
・・・タカシは今だに私を抱きしめて眠るだけでキス以上はしてこようとはしない。
そもそも私には女としての魅力がないのかなってそろそろ落ち込み出した頃だったから
話がある、なんて改めて言われると
タカシから別れ話でもされるのかとドキドキした。
「⋯なに?」
動揺を隠すようにラグに座ってクッションを抱える。
話しあるって言ったくせに
黙りこくったタカシにどんどん不安な気持ちになる。
どうしよ?
今、私タカシに別れようなんて言われたら⋯
考えるのも怖くてクッションを握りしめた時
「⋯Aさん、オレに何か隠してること、ある?」
って。
予想外の言葉に一瞬何を言われたのか考えたけど⋯
「⋯特に隠し事するような事ないけど?」
そんな謎めいた女でもなんでもないでしょ、私なんて。
「⋯それならオレになんでも話してくれる?」
「⋯?うん、」
私の言葉にわかりやすく息を吐いたタカシ。
「なんで、沖縄でミツにキスされてたの?」
⋯タカシの言葉にわかりやすく動揺してしまう。
そうだ。気にしない訳ないよね?
なのにタカシはその事、ずっと聞かないでいてくれたんだ。
ずっと気になってたんだ、タカシ。
私が逆の立場でもきっと同じように気になるはずなのに
タカシとはその後に付き合い出したから
そこまで考えてなかった。
どう説明したらいいんだろう?
そもそも私もあの時の北山のキスは
自分なりに解釈してるだけでほんとの北山の気持ちなんてわからないし。
言葉が出ない私にもう一つ、って。
「ミツが異動になった日、ミツの後を追ったあとに貧血で倒れるって何があったの?」
上目遣いで不安気に私を見つめるタカシの顔をしばらく見つめる事しか出来なかった。
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Haru(プロフ) - ぴのさん» わざわざこちらにも!ありがとうございます!ほんと、ぴのさんのコメがずっと引っかかっててお陰様で物語のエンドが見えてきました(^^)ガヤさんの気持ちなんて考えもしてなかったので(笑)こちらこそ、ありがとうございます! (2018年11月20日 10時) (レス) id: 476aea9d9a (このIDを非表示/違反報告)
ぴの(プロフ) - ありがとうございますm(__)m 私の妄想で…ガヤさん、嫉妬させていただき…なんだか、私も作品に参加できた気持ちで、嬉しいです。毎日 更新が楽しみです。 (2018年11月19日 19時) (レス) id: 084bdea948 (このIDを非表示/違反報告)
Haru(プロフ) - ぴのさん» ガヤさん、来ましたよぉー!(笑)ガヤさん、今後四角関係参入できるか!?まだわからないですがそちらもハラハラしながら続き見ていただければと思います♪ぴのさんを思い浮かべながらガヤさん嫉妬させてみました(笑) (2018年11月16日 17時) (レス) id: 476aea9d9a (このIDを非表示/違反報告)
ぴの(プロフ) - きたきた〜ガヤさんの、ほどよい嫉妬(>_<) タカシの存在の大きさも、ハラハラです!でも…やっぱり北山君なんですよね。弱気な北山くんに、どう向き合うのか楽しみです。 (2018年11月15日 16時) (レス) id: 084bdea948 (このIDを非表示/違反報告)
Haru(プロフ) - kanonさん» 断腸の思いですよ、タカシぃ(TT)タカシが報われるようにしたいんですがまだノープランです(いまだに笑)続きすみません^^;今アップしましたのでまた読んで下さいね♪いつもお忙しい中コメントありがとうございます(^^) (2018年11月15日 14時) (レス) id: 476aea9d9a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Haru | 作成日時:2018年10月1日 13時